長寿医療制度と社会保険料控除
平成20年4月から長寿医療制度が実施され、保険料が年金から控除される事が報道でも注目を浴びています。報道では特に後期高齢者医療制度(75歳以上)が問題として騒がれていますが、前期高齢者(65~74歳)の制度についても議論されるべきものであり、報道は偏ってなされているように感じます。
これに関連して所得税の社会保険料控除について今回整理してみたいと思います。
社会保険料控除は、ご存知の通りその年に支払った年金の保険料や健康保険の保険料などを所得税の計算の際に所得から控除するものです。
社会保険料控除についての良くある質問
●過去の未納となっていた保険料を本年中に支払った場合
本年中に支払ったものであれば、過去の年分のものであっても本年分の社会保険料控除の対象になります。なお、支払いが基準ですので、過去においては、もちろん未納となっている保険料を社会保険料控除に含める事はできません。
●家族の分の保険料を負担した場合
生計を一にしている配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合には、社会保険料控除の対象になります。
(注)「生計を一にしている配偶者その他の親族」に該当するかどうかの判定時期については支払った時期で判定します。年の途中から生計が別となった場合には、生計を一にしていた期間の社会保険料だけ社会保険料控除の対象となります。
(注)介護保険料など公的年金から天引き徴収されている社会保険料については支払ったのは本人となります。たとえば生計を一にする妻の公的年金から介護保険料が天引き徴収されていた場合等は、妻本人が支払った事になる為、社会保険料控除の対象となりません(妻の社会保険料控除の対象となります)。
現状では長寿医療制度の保険料はみなさん年金からの天引き徴収という形になっています。上記のように、これでは高齢者を扶養してらっしゃる方が社会保険料控除を適用しようとしても本人が保険料を負担しているので控除の対象になりません。
平成20年10月以降の保険料については、手続を行なう事により、世帯主又は配偶者が口座振替によって保険料を支払う事が選択できるようになりました。後期高齢者の対象となっている方を扶養してらっしゃる方は、口座振替に切り替える事で社会保険料控除を適用する事もできるようになります。