10月から開始される制度等の概要について
◆地球温暖化対策税
原油やガス、石炭といった全化石燃料に対して、全化石燃料に対してCO2排出量に応じた税率(289円/CO2トン)を上乗せし、税収は、温室効果ガスの9割を占めるエネルギー起源CO2排出抑制施策に充当されます。
平成24年10月、平成26年4月、平成28年4月の3段階に分けて引上げが実施され、最終的な増税額は、原油と石油製品が1キロリットルあたり760円、LPGとLNGが1トンあたり780円、石炭が同670円となります。
◆労働者派遣法の改正
*日雇派遣(雇用期間30日以内)を原則禁止。ただし、適正な雇用管理に支障を及ぼすおそれがない業務(政令で定めた業務)、60歳以上など雇用機会の確保が困難な場合等は例外。
*同一グループ内の事業主が派遣先の大半を占める場合、派遣割合を全体の8割以下に制限。
*離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることを禁止。
*派遣元に一定の有期雇用派遣労働者の無期雇用への転換推進措置を努力義務化。
*派遣料金に占めるマージン率などの情報公開を義務化。
*労働者派遣契約の解除の際、派遣元及び派遣先における派遣労働者の新たな就業機会の確保、休業手当等の支払いに要する費用負担等の措置を義務化。
*派遣先が違法であることを知りながら派遣労働者を受け入れている場合には、派遣先が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなします(施行は平成27年10月)。
◆著作権法の改正
個人利用であっても、それが販売または有料配信されている音楽や映像であること、違法配信されたものであることの両方を知りながら、自分のパソコンなどにダウンロード(録音・録画)した場合は、刑罰として「2年以下の懲役または200万円以下の罰金(またはその両方)」が科されます。ただし、被害者である著作権者からの告訴が必要な親告罪です。
また、DVDなどのコピー防止機能を解除して、自分のパソコンに取り込む行為(リッピング)については新たに違法となり、このようなコピー防止機能を解除するプログラムなどを作成や譲渡などした場合は刑罰の対象となります。
◆年金確保支援法
国民年金保険料は納期限より2年を経過した場合、時効によって納付することができなくなりますが、平成24年10月1日から平成27年9月30日までの3年間に限り、過去10年間の納め忘れた保険料について納付することが可能になりました(保険料の後納制度の創設)。
後納制度を利用することで、年金額を増やすことや、納付した期間が不足したことにより年金の受給ができなかった方が年金受給資格を得られる場合があります。
なお、国民年金を受給するためには、納付済期間や免除期間等の合計が原則25年(300月)必要ですが、平成27年10月以降は、10年(120月)に短縮される予定です。
◆女性労働基準規則の改正(改正女性則)
妊娠や出産・授乳機能に影響のある25の化学物質を扱う作業場のうち、以下の業務については、妊娠の有無や年齢などにかかわらず、全ての女性労働者の就業が禁止となります。
*労働安全衛生法令に基づく作業環境測定を行い、「第3管理区分(規制対象となる化学物質の空気中の平均濃度が規制値を超える状態)」となった屋内作業場での全業務。
*タンク内、船倉内での業務など、規制対象となる化学物質の蒸気や粉じんの発散が著しく、呼吸用保護具の着用が義務付けられている業務。
◆雇用調整助成金(中小企業緊急雇用安定助成金)の見直し
*生産量要件・・・「最近3か月の生産量又は売上高が前年同期と比べ、10%以上減少」となります。また、中小企業は直近の経常損益が赤字であれば対象でしたが、この要件を撤廃。
*支給限度日数・・・1年間100日とし、平成25年10月からは1年間100日・3年間150日。
*教育訓練費(事業所内)・・・雇用調整助成金は1000円、雇用安定助成金は1600円。
※岩手、宮城、福島県の事業主は、6か月遅れで実施。