令和2年度税制改正大綱の概要(主な個人関連)
◆NISA制度の見直し・延長
◎一般NISAの見直し
一般NISAの勘定設定期間の終了にあわせ、令和6年から2階建ての制度に見直したうえで、口座開設可能期間を5年延長する。
1階部分は投資対象商品をつみたてNISAと同様とし、年間投資上限額20万円の特定累積投資勘定(仮称)、2階部分は現行の一般NISAから高レバレッジ投資信託など一部の商品を除き、年間投資上限額102万円の特定非課税管理勘定(仮称)とする。
◎つみたてNISAの延長
つみたてNISAの勘定設定期間を令和24年12月31日まで5年延長する。
◎ジュニアNISAの終了に伴う取扱い。
未成年者口座開設可能期間は延長せずに令和5年12月31日で終了することとし、その終了にあわせ、令和6年1月1日以後は、課税未成年者口座及び未成年者口座内の上場株式等及び金銭の全額について源泉徴収を行わずに払い出すことができることとする。
●未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し
◎未婚のひとり親に対する税制上の措置
未婚のひとり親について、その者と生計を一にする子(総所得金額等の合計額が48万円以下に限る)を有しており、本人の合計所得金額が500万円以下である場合は、寡婦(夫)控除を適用する。
◎寡婦(寡夫)控除の見直し
・寡婦に寡夫と同じ所得制限(合計所得金額が500万円以下)を設ける。
・住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある場合には、控除の対象外とする。
・子ありの寡夫の控除額について、子ありの海婦と同額(所得税35万円、住民税30万円)とする。
・扶養親族がいない死別の寡婦、子以外の扶養親族を有する死別・雄別の寡婦(合計所得金額が500万円以下)については現状のままとする。
※令和2年分以後の所得税、令和3年分以後の住民税について適用する。
◆所有者不明土地等に係る課税上の課題への対応
◎現に所有している者の申告の制度化
市町村長は、その市町村内の土地又は家屋について、登記簿等に所有者として登記等がされている個人が死亡している場合、当該土地又は家屋を現に所有している者(以下「現所有者」)に、当該市町村の条例で定めるところにより、当該現所有者の氏名、住所その他固定資産税の賦課徴収に必要な事項を申告させることができることとする。
※令和2年4月1日以後の条例の施行日以後に現所有者であることを知った者について適用する。
◎使用者を所有者とみなす制度の拡大
市町村は、一定の調査を尽くしてもなお固定資産の所有者が一人も明らかとならない場合には、その使用者を所有者とみなして、事前の通知を行った上で固定資産課税台帳に登録し、その者に固定資産税を課することができることとする。
※令和3年度以後の年度分の固定資産税について適用する。
◆低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除の創設
個人が、都市計画区域内にある低未利用土地又はその上に存する権利(以下「低未利用土地等」)で、その年1月1日において所有期間が5年を超えるものの譲渡(その個人の配偶者その他のその個人と一定の特別の関係がある者に対してするもの及びその上にある建物等を含めた譲渡の対価の額として一定の額が500万円を超えるものを除く)をした場合には、その年中の低未利用土地等の譲渡に係る長期譲渡所得の金額から100万円を控除することができることとする。
なお、低未利用土地等であること及び譲渡後の低未利用土地等の利用について市区町村の長の確認がされている場合に限る。
※土地基本法等の一部を改正する法律(仮称)の施行の日又は令和2年7月1日のいずれか遅い日から令和4年12月31日までの間にした譲渡について適用する。