令和2年10月から実施される主な制度等(税制以外)の概要
◆地域別最低賃金の改定
・都道府県ごとに定められている地域別最低賃金について、令和2年度は40県において1円から3円の引上げ、7都道府県(北海道、東京、静岡、京都、大阪、広島、山口)が据え置きとなり、改定額の全国加重平均額は902円(前年度比1円引上げ)となります。
・改定額の発効日は各地域で異なりますが、10月1日～9日までに順次適用されます。
◆中小企業成長促進法の施行
・同法は経営承継円滑化法、地域未来法、経営強化法、産業競争力強化法、中小機構法の5つの改正法を束ねたもので、中小企業の廃業を防ぐとともに、中小企業が積極的に事業展開を行い、成長できる環境を整備するために、経営者保証の解除支援、みなし中小企業者特例、海外展開支援、計画制度の整理など、必要な措置を講じます。
・これにより、経営者交代による事業承継に併せて保証債務を借り換える際の資金に対して、経営者保証を求めない経営承継借換関連保証(既存の保証限度枠とは別に特例として2.8億円を保証)を信用保証協会の保証制度に追加するなどが実施されます。
◆著作権法の改正
・侵害コンテンツへのリンク情報等を集約してユーザーを侵害コンテンツに誘導する「リーチサイト」や「リーチアプリ」を規制し、リーチサイト運営行為及びリーチアプリ提供行為を刑事罰の対象とするとともに、リーチサイト・アプリにおいて侵害コンテンツへのリンク等を提供する行為を著作権等の侵害行為とみなし、民事措置及び刑事罰の対象とします。
・スマートフォンやタブレット端末等の普及や動画投稿・配信プラットフォームの発達等に対応して、写り込みに係る権利制限規定の対象となる行為を複製や伝達行為全般(例:スクリーンショットや生配信、CG化など)に拡大するなど一般的に行われる行為に伴う写り込みを幅広く認めます。
・その他、著作物を利用する権利に関する対抗制度の導入や行政手続に係る権利制限規定の整備が行われます。
◆「GoToトラベル」の全面開始
・東京都への旅行と東京都に在住している方の旅行が本事業の対象となります。
・旅行代金の15%相当額を地域共通クーポンとして旅行者に付与する事業を開始します。クーポンは旅行先の都道府県や隣接都道府県の土産物店、飲食店、観光施設、アクティビティ、交通機関などにおいて、旅行期間中に限って使用できます。
◆「GoToイート」の開始
・本事業に参加しているオンライン飲食予約サイト(13事業者)経由で、登録飲食店に予約・来店をした場合、次回以降に利用できるポイント(昼食時間帯は500円分、15時以降の夕食時間帯は1,000円分で1回の予約あたり10人分が上限)を付与する事業を開始します。
・地域内の登録飲食店で使えるプレミアム付食事券(プレミアム率は25%で、1回の購入あたり2万円分が上限)を各都道府県等の単位で販売する事業は、地域ごとに開始時期や購入方法など異なり、準備が整った地域から順次開始されます。
・ポイント付与の期間やプレミアム付食事券の販売期間は令和3年1月末までとなり、利用期限は令和3年3月末までとなります。
◆その他
・自己都合により離職した方が雇用保険の求職者給付を受給する場合の給付制限期間を3ヵ月から2ヵ月(5年間のうち2回まで)に短縮します。
・建設業法の改正により、著しく短い工期での請負契約の禁止、建設業許可の基準見直し(社会保険加入の要件化など)などが実施されます。
・特許法の改正により、侵害訴訟における証拠の収集手段として中立な専門家が現地調査を行い、報告書を裁判所へ提出する査証制度が創設されます。
・入国制限を緩和し、全世界を対象にビジネス関係者に加え医療や教育の関係者、留学生など中長期の在留資格を持つ外国人に条件付きでの入国を認めます。
・ロタウイルス感染症の予防接種が定期接種(令和2年8月1日以後に生まれた子が対象)となります。
・異なる種類のワクチンを接種する際の接種間隔のルールを変更し、注射生ワクチン同士を接種する場合の制限は維持しつつ、その他のワクチンの組み合わせは日数制限は設けないことになります。