平成26年度税制改正大綱の概要(主な個人関連)
◆給与所得控除の見直し
給与所得控除の上限について、次のとおり漸次引き下げる。
現行 | 平成28年分 | 平成29年分以後 | |
上限額が適用される給与収入 | 1,500万円 | 1,200万円 | 1,000万円 |
給与所得控除の上限額 | 245万円 | 230万円 |
220万円 |
◆NISA(少額投資非課税制度)の制度変更
NISAについて、金融商品取引業者等の営業所に非課税口座を開設している、又は開設していた者は、当該非課税口座に設けられた非課税管理勘定の年分の属する勘定設定期間と同一の勘定設定期間内に、一定の手続の下で非課税口座の再開設又は非課税管理勘定の再設定をすることができることとする。ただし、当該非課税口座を廃止した年分の非課税管理勘定に既に上場株式等を受け入れていた場合には、当該廃止した年分は、非課税口座の再開設又は非課税管理勘定の再設定をすることはできない。
この改正は、平成27年1月1日以後に変更又は廃止届出書が提出した場合に適用する。
◆ゴルフ会員権等の譲渡損失の損益通算廃止
譲渡損失が他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない「生活に通常必要でない資産」の範囲にゴルフ会員権等を加える。
この改正は、平成26年4月1日以後に行う資産の譲渡等について適用する。
◆車体課税の見直し
◎自動車重量税……エコカー減税について、平成26年4月1日以後に新車に係る新規検査を受けた際、納付すべき自動車重量税を免除された検査自動車については、新規検査後に受ける最初の継続検査等の際に納付すべき自動車重量税を免除する。また、平成26年4月1日以後に継続検査等を受ける自家用の検査自動車のうち、新車新規登録から13年を経過したもの(18年を経過したものを除く)に係る税率について、見直しを行う。
◎自動車取得税……平成26年4月1日以後に取得される平成22年度燃費基準を満たす自動車等に対して課する税率を、自家用自動車は5%から3%、営業用自動車及び軽自動車は3%から2%にそれぞれ引き下げる。また、エコカー減税について、現行75%軽減する自動車に係る軽減割合を80%に、50%軽減する自動車に係る軽減割合を60%に拡充する。
※自動車取得税は、消費税10%への引上げ時(平成27年10月予定)に廃止。
◎自動車税……グリーン化特例(環境負荷の小さい自動車は税率を軽減し、新車新規登録から一定年数を経過した環境負荷の大きい自動車は税率を重くする措置)について、対照車種にクリーンディーゼル車を追加する等の基準の切替えと重点化、拡充を行った上で、2年間延長する。
◎軽自動車税……平成27年4月以降に新たに取得される四輪車等の税率を、自家用自動車は1.5倍に、その他の区分の車両は約1.25倍に引き上げる。また、最初の新規検査から13年を経過した四輪車等について、平成28年度から約20%の重課を行う。二輪車等については、税率を約1.5倍に引き上げ、2,000円未満の税率は2,000円にする。
◆消費税の軽減税率
消費税の軽減税率制度については、必要な財源を確保しつつ、関係事業者を含む国民の理解を得た上で、税率10%時に導入する。引き続き、与党税制協議会において、財政上の課題とあわせ、対象品目の選定、区分経理等のための制度整備、具体的な安定財源の手当、国民の理解を得るためのプロセス等、詳細な内容について検討し、平成26年12月までに結論を得る。
◆その他
◎特定居住用財産を買換えた場合の課税の特例……適用要件となる譲渡資産の譲渡価額について、1億円(現行:1億5千万円)に引下げ、2年延長する。平成26年1月以後の譲渡に適用。
◎相続財産を譲渡した場合の取得費の特例……譲渡所得金額の計算上、取得費に加算できる金額を譲渡した土地等に対応する相続税相当額とする(現行:相続した全ての土地等に対応する相続税相当額)。平成27年1月以後に開始する相続等により取得した資産の譲渡に適用。