平成26年度税制改正大綱の概要(主な企業関連)
◆復興特別法人税の1年前倒し廃止
復興特別法人税の課税期間を1年間前倒しして終了する。なお、復興特別法人税の課税期間終了後、法人が各事業年度において利子及び配当等に課される復興特別所得税額は、各事業年度において利子及び配当等に課される所得税額と合わせて、法人税額から控除する。この場合に、復興特別所得税額で法人税額から控除しきれなかった金額があるときは、その金額を還付する。
◆交際非課税の見直し
◎交際費等の損金不算入制度について、交際費等のうち、飲食のために支出する費用(※)は50%を損金に算入することとし、その適用期限を2年延長する。
※専ら法人の役員、従業員等に対する接待等のための費用(いわゆる社内接待費)は含まない。
◎中小法人にかかる損金算入の特例は、上記との選択適用とした上、その適用期限を2年延長する。
◆消費税の簡易課税制度のみなし仕入率の見直し
金融業及び保険業を第5種事業とし、そのみなし仕入率を50%(現行60%)とする。また、不動産業を第6種事業とし、そのみなし仕入率を40%(現行50%)とする。この改正は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間について適用する。
◆国家戦略特別区域において機械等を取得した場合の税制措置の創設
青色申告書を提出する法人で、平成26年4月1日又は国家戦略特別区域法の区域計画に関する規定の施行日のいずれか遅い日から平成28年3月31日までに、国家戦略特別区域内において、同法に基づく事業実施計画(仮称)に記載された機械装置、開発研究用危惧備品、建物及びその付属設備並びに構築物で、一定規模以上のものの取得等をして、特定事業の用に供した場合には、取得価額の50%(建物及びその付属設備ならびに構築物は25%)の特別償却又は15%(建物及びその付属設備ならびに構築物は8%)の税額控除が選択適用ができる。ただし、控除税額は当期の法人税額の20%を上限とし、超過額は1年間繰越しができる。
なお、特定中核事業の用に供される一定の機械装置及び開発研究用器具備品については、その普通償却限度額との合計でその取得価額までの特別償却ができることとする。
◆小規模企業共済制度の対象範囲の拡充
小規模企業共済法施行令の一部改正を前提に、「小規模企業共済等掛金控除」等の対象となる小規模企業者の範囲を、宿泊業又は娯楽業を営む者で、常時使用する従業員の数が20名以下(現行5名以下)に拡大する。
◆医業継続に係る相続税・贈与税の納税猶予等の創設
◎個人(相続人)が持分の定めのある医療法人の持分を相続又は遺贈により取得した場合、その医療法人が相続税の申告期限において認定医療法人(仮称)であるときは、担保の提供を条件に、相続税額のうち、認定医療法人の持分に係る課税価格に対応する相続税額は、移行計画(仮称)の期間満了まで納税を猶予し、移行期間内に当該相続人が持分の全てを放棄した場合には、猶予税額を免除する。
◎持分の定めのある医療法人の出資者が持分を放棄したことにより他の出資者の持分の価額が増加することについて、増加額に相当する額の贈与を受けたものとみなして他の出資者に贈与税が課される場合に、認定医療法人(仮称)であるときは、担保の提供を条件に、贈与税額のうち、当該経済的利益に係る課税価格に対応する贈与税額、移行計画(仮称)の期間満了まで納税を猶予し、移行期間内に当該他の出資者が持分の全てを放棄した場合には、猶予税額を免除する。
◆その他
◎雇用促進税制の適用期限を2年延長する。
◎環境関連投資促進税制について、対象資産から熱電併給型動力発生装置等を除外する。
◎法人税額から控除される特別控除額の特例について、当期の法人税額から控除できる税額控除可能額の合計額を当期の法人税額の90%に引き下げる。
◎個人事業主が、合理的な再生計画に基づき債務免除を受ける場合において、当該再生計画の手続きに従って減価償却資産及び繰延資産等の評定を行っているときは、その資産の評価損の額に相当する金額は、必要経費に算入する等の特例を創設する。