平成26年分 所得税の確定申告に係る主な注意点等
◆平成26年分の所得税から適用される主な改正事項
・上場株式等の譲渡所得等及び配当所得に係る10%軽減税率(初頭税7%、住民税3%)の特例措置は、平成25年12月31日をもって廃止されました。
・平成26年4月1日以後にゴルフ会員権等を譲渡して生じた譲渡損失については、給与所得などの他の所得と損益通算できないこととされました。
・住宅借入金等特別控除について、その適用期限が平成29年末まで延長されるとともに、平成26年4月1日以後平成29年末までの間に一定の住宅の取得等又は認定住宅の新築等をした場合における最大控除額等が拡充されました。また、建築後使用されたことのある家屋(耐震基準等に適合しないものに限る)を取得した場合において、一定の要件のもとでこの特別控除の適用を受けることができることとされました。
・東日本大震災の被災者等に係る住宅借入金等特別控除の控除額の特例について、その適用期限が平成29年末まで延長されるとともに、平成26年4月1日以後平成29年末までの間に東日本大震災の被災者が新たに再建住宅を取得した場合における最大控除額等が拡充されました。
・住宅耐震改修特別控除、住宅特定改修特別税額控除又は認定住宅新築等特別税額控除について、その適用期限が平成29年末まで延長されるとともに、平成26年4月1日以後平成29年末における税額控除限度額等が拡充されました。
・国外財産調書制度(平成26年1月施行)について、平成27年1月1日以後に提出すべき国外財産調書にかかる違反行為に対して罰則が適用されます。
◆申告の際に多い誤りや注意点など
◎国外所得の申告漏れ
・居住者(非永住者以外の者)は、海外で得た所得(国外で支払われる預金等の利子や、国外にある不動産の貸付・譲渡による収益国外の法人等に対する出資にかかる収益など)を合わせて申告する必要があります(外国の税務当局に申告した所得も申告が必要)。
◎副収入の申告漏れ
・インターネットによる副業などで得た所得についても合わせて申告する必要があります。
◎一時所得の申告漏れ
・生命保険会社などから満期金や一時金を受け取った場合は、その収入が一時所得として申告する必要がないか、生命保険会社などから送付された書類で確認してください。
◎医療費控除の計算誤り
・高額療養費、高額介護合算療養費、出資育児一時金や保険会社からの入院給付金などで補填される金額は、支払った医療費の額から差し引きます。
・薬局で購入した日用品や予防接種費用などは、医療費控除の対象になりません。
◎地震保険料控除の適用誤り
・地震等損害保険契約以外の保険料については適用されませんが、平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約等については地震保険料控除が適用されます。
◎寡婦控除、寡夫控除の適用漏れ
・寡婦、寡夫に該当する方は「寡婦控除」、「寡夫控除」が受けられます。
◎配偶者特別控除の適用誤り
・合計所得金額が1,000万円を超えている方は「配偶者特別控除」を受けることができません。
◎上場株式等に関わる譲渡損失の繰越控除の適用
・売却がなかった年も、譲渡損を翌年へ繰り越すための申告が必要です。
◎e-Taxを利用した場合
・源泉徴収票や医療費の領収書などの提出を省略できますが、法定申告期限から5年間は税務署から提出を求められることがあるので保存が必要です。
◎復興特別所得税額の記載漏れ
・平成25年~49年分まで、復興特別所得税(原則、各年分の所得税額の2.1%)を所得税と併せて申告・納付するので、徳に手書きで申告書を作成する場合は記載漏れにご注意ください。