平成27年1月から適用される主な税制の概要
◆所得税の最高税率引上げ
現行の最高税率は課税所得1,800万円超について40%だが、課税所得4,000万円超について45%の税率を設ける。
◆相続税の基礎控除引下げ、税率構造の見直し等
◎相続税の基礎控除引下げ……現行の「5,000万円+1,000万円×法定相続人数」を「3,000万円+600万円×法定相続人数」に引き下げる。
◎税率構造の見直し……税率構造を現行の6段階から8段階とし、最高税率を現行の50%(各法定相続人の法定相続分相当額3億円長の部分)から55%(同6億円超の部分)に引き上げる。
◎未成年者控除・障害者控除の引上げ……未成年者控除は20歳までの1年につき現行6万円を10万円に引き上げる。障害者控除は85歳までの1年につき原稿6万円(特別障害者は12万円)を10万円(特別障害者は20万円)に引き上げる。
◆小規模宅地等の特例の拡充
◎居住用宅地の適用対象面積の拡大……現行240㎡を330㎡までの部分に拡大する。
◎居住用宅地と事業用宅地を併用する場合の限度面積の拡大……現行は限定的に併用が認められている居住用宅地と事業用宅地について、それぞれの限度面積(居住用は330㎡、事業用は400㎡)まで適用を拡大する(貸付用を除く)。
◆相続財産を譲渡した場合の取得費加算特例の見直し
相続した土地等を相続後3年以内に譲渡した場合、現行は相続した全ての土地等に対応する相続税額を取得費に加算することができる特例について、譲渡した土地等に対応する相続税相当額のみが取得費に加算される。
◆贈与税の税率構造の見直し
税率構造を現行の6段階から8段階とし、最高税率を相続税と合わせて現行の50%(1,000万円超の部分から)55%(3,000万円超の部分)に引き上げる。また、20歳以上の子や孫等が直系尊属からの贈与により財産を取得した場合の贈与税は、一般税率ではなく、税率を緩和した「特例税率」を適用して算出する。
◆相続時精算課税制度の対象者の拡大
贈与者の年齢要件を現行の65歳以上から60歳以上に引下げ、受贈者の対象に20歳以上の孫を加える。
◆事業承継税制の見直し
事業承継税制の使い勝手をよくするために主に以下のような要件緩和等が実施される。
◎親族外承継の対象化……親族に限らず適任者を後継者にできるように、親族外承継も適用対象とする。
◎雇用8割維持要件が緩和……原稿の「5年間毎年」維持から「5年間平均」で雇用の8割以上を維持に緩和する。
◎贈与時の役員退任要件の緩和……現行は贈与時に先代経営者の役員退任が要件だが、代表者の退任を要件とする(有給役員として残留可)。
◆NISA口座の開設に係る見直し
NISA口座を開設する金融機関の変更は現行、最長4年間できないが、1年毎に金融機関の変更ができるようになる。変更する場合は、変更する年の前年10月1日から変更する年の9月30日までに金融機関へ届出書などを提出する(27年分は27年1月~9月まで)。
◆国外財調書の違反行為に対する罰則
国外財産調書(居住者が、その年の12月31日において5千万円を超える国外財産を保有している場合、必要事項を記載した国外財産調書を翌年の3月15日までに提出)について、27年以後の提出から違反行為(偽りの記載や正当な理由がなく提出しなかった場合)に対して1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が処される。