令和2年7月から実施される主な制度等
◆自筆証書遺言に係る保管制度(7月10日から)
・全国の法務局(遺言書保管所)で自筆証書遺言を保管できる制度が創設されます。
・遺言者の住所地・本籍地又は遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する法務局に保管の申請ができ、申請手続きは遺言者本人が行う必要があります。
・保管された遺言書は、遺言者が生存中に遺言者以外の者が閲覧等を行うことはできません。遺言者が死亡後、相続人等は法務局に遺言書が保管されているかどうかを確認し、遺言書が保管されている場合に閲覧等を行うことができます。
・保管されている遺言書については、裁判所での「検認」の手続きは不要です。
・遺言書の保管申請や閲覧請求等の手続きには予約が必要となり、手数料がかかります(例えば、保管申請は1通につき3,900円)
◆低未利用土地等の譲渡に係る特別控除(7月1日から)
・全国的に空き地・空き家が増加する中、新たな利用意向を示す者への土地の譲渡を促進するため、令和2年度税制改正において、個人が保有する低額の低未利用土地等※を令和2年7月から令和4年12月までの間に譲渡をした場合、譲渡所得から100万円を控除する特例が創設されました。
・主な要件は
①土地とその上物の譲渡価額が合計500万円以下であること、
②譲渡の年の1月1日において所有期間が5年を超えること、
③都市計画区域内にある低未利用土地等であること、
④低未利用土地等であったこと及び譲渡後に買主が土地の利用意向を有することについて、市区町村長が確認したものであること
です。
※低未利用土地等とは、居住の用、事業の用その他の用途に供されておらず、又はその利用の程度が周辺の地域における同一の用途若しくはこれに類する用途に供されている土地の利用の程度に比し著しく劣っていると認められる土地及び当該土地の上に存する権利。
◆レジ袋の有料化(7月1日から)
・海洋プラスチックごみ問題などの解決に向けた取組として、小売業を営む事業者は商品を販売する際に、プラスチック製買物袋(いわゆるレジ袋)を有料で提供することが義務付けられます。
・有料化の対象となるのは原則、消費者が購入した商品を持ち運ぶために用いる持ち手のついたプラスチック製買物袋です。
ただし
①フィルムの厚さが50マイクロメートル(0.05ミリメートル)以上のもの
②海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの
③バイオマス素材の配合率が25%以上のもの
は、法令の対象外となります。
◆「あおり運転」厳罰化(改正道交法は6月30日、改正自動車運転処罰法は7月2日から)
・道路交通法の改正により、妨害運転(あおり運転)に対する罰則が創設され、他の車両等の通行を妨害する目的で一定の違反(車間距離不保持、急ブレーキ禁止違反等の10類型)をした場合、信役3年以下又は罰金50万円以下、違反点数25点で免許取消しとなります。また、高速道路で停車させる等の著しい危険を生じさせた場合は、懲役5年以下又は罰金100万円以下、違反点数35点で免許取消しとなります。
・自動車運転処罰法の改正により、重大な交通の危険が生じる速度で走行中の車の前方で停止したり、高速道路で著しく接近し徐行・停止させる行為などが危険運転致死傷罪の対象に追加されます。
◆マイナポイントの申込開始(7月1日から)
・令和2年9月から令和3年3月まで実施される「マイナポイント事業」は、マイナンバーカードの取得者を対象に、選択したキャッシュレス決済サービスの利用額(チャージ又は購入)に応じて買い物等で使えるポイント等が付与(利用額の25%で最大5,000円分)されます。
・7月からマイナポイントの申込が始まり、利用する決済サービスを1つ選択します。
◆家賃支援給付金(7月中に開始予定)
・テナント事業者のうち、令和2年5月~12月の売上について、「いずれか1ヵ月が前年同月比50%以上減少」、又は「連続する3ヵ月が前年同期比30%以上減少」した中堅・中小企業、個人事業者等を対象に、家賃の負担を軽減する給付金が創設されます。
・給付額は、申請時の直近の支払家賃(月額)に基づき算出した給付月額(家賃×給付率)の6カ月分となり、法人は最大600万円、個人事業者は最大300万円です。
・給付率は、支払家賃(月額)が法人75万円、個人事業主37.5万円までの部分が2/3、それを超える部分は1/3となります。