平成28年分 所得税の確定申告に係る主な注意点
◆所得税の確定申告をする必要がある人
◎給与所得がある場合
・給与の収入金額が2,000万円を超える方
・給与を1ヶ所から受けていて、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円を超える方
・給与を2ヶ所以上から受けていて、年末調整をしていない給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)との合計額が20万円を超える方
・同族会社の役員やその親族などで、その同族会社から給与のほかに、貸付金の利子、店舗・工場などの賃借料、機械・器具の使用料などの支払を受けた方 など
◎公的年金等に係る雑所得がある場合
・公的年金等に係る雑所得の金額から所得控除を差し引いた結果、残額がある方
※公的年金等の収入金額が400万円以下であり、かつ、その年分の公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合には確定申告の必要はありません。
◎その他
・各種の所得金額の合計額(譲渡所得や山林所得を含む)から、所得控除を差し引き、その金額(課税される所得金額)に税率を乗じた税額から配当控除額を差し引いた結果、残額のある方
・上場株式等に係る譲渡損失と配当所得との損益通算及び繰越控除の特例などの適用を受ける方
◆申告の際に多い誤りや注意点など
◎国外所得の申告漏れ
居住者(非永住者以外の者)は、海外で得た所得(国外で支払われる預金等の利子や、国外にある不動産の貸付・譲渡による収益、国外の法人等に対する出資に係る収益など)を合わせて申告する必要があります(外国の税務当局に申告した所得も申告が必要)。
※平成28年12月31日において有する国外財産の価額の合計額が5千万円を超える方の国外財産調書の提出期限は、平成29年3月15日です。
◎副収入の申告漏れ
インターネットによる副業などで得た所得についても合わせて申告する必要があります。
◎一時所得の申告漏れ
生命保険会社などから満期金や一時金を受け取った場合は、その収入が一時所得として申告する必要がないか、生命保険会社などから送付された書類で確認してください。
◎医療費控除の計算誤り
高額療養費、高額介護合算療養費、出産育児一時金や保険会社からの入院給付金などで補てんされる金額は、支払った医療費の額から差し引きます。また、薬局で購入した日用品や予防接種費用などは、医療費控除の対象になりません。
◎寄附金控除の適用漏れ
ふるさと納税ワンストップ特例の適用に関する申請書を提出している方であっても、確定申告をする方や6団体以上にワンストップ特例を申請する方などは特例が適用されないため、ふるさと納税の金額を寄附金控除の計算に含める必要があります。
◎地震保険料控除の適用誤り
地震等損害保険契約以外の保険料については適用されませんが。平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約等については地震保険料控除の対象です。
◎配偶者特別控除の適用誤り
合計所得金額が1,000万円を超えている方は「配偶者特別控除」を受けることができません。
◎上場株式等に係わる譲渡損失の繰越控除の適用
売却がなかった年も、譲渡損を翌年へ繰り越すための申告が必要です。
◎e-Taxを利用した場合
源泉徴収票や医療費の領収書などの提出を省略できますが、法定申告期限から5年間は税務署から提出を求められることがあるので保存が必要です。
◎復興特別所得税額の記載漏れ
特に手書きで申告書を作成する場合は記載漏れにご注意ください。