平成29年10月から始まる主な制度等の概要
◆地域別最低賃金の改定
平成29年度の改定額は、すべての地域で22円以上(22~26 円)の引上げ額となり、全国加重平均額は848円(25円引上げ)となります。
発効日は各都道府県で異なりますが、9月30日から10月14日までに発効されますので、厚労省や労働局のホームページ等で確認しましょう。
地域別最低賃金は、産業や職種にかかわりなく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金です。最低賃金は毎月支払われる基本的な賃金(割増賃金、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などを除く)が対象となります。
◆改正育児・介護休業法の施行
◎2歳まで育児休業が取得可能に
子が1歳6ヵ月に達する時点で、次のいずれにも該当する揚合には、子が1歳6ヵ月に達する日の翌日から子が2歳に達する日までの期間について、事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができます。
①育児休業に係る子が1歳6ヵ月に達する日において、労働者本人又は配偶者が育児休業をしている場合
②保育所に入所できない等、1歳6ヵ月を超えても休業が特に必要と認められる場合
この2歳までの休業は、1歳6ヵ月到達時点で更に休業が必要な場合に限って申出可能となり、原則として子が1歳6ヵ月に達する日の翌日が育児休業開始予定日となります。なお、1 歳時点で延長することが可能な育児休業期間は子が1歳6ヵ月に達する日までとなります。
※育児休業給付金の給付期間も育児休業期間を延長した場合は、2 歳までとなります。
◎子どもが生まれる予定の方などに育児休業等の制度などの周知
事業主は、労働者もしくはその配偶者が妊娠・出産したことを知ったとき、又は労働者が対象家族を介護していることを知ったときに、関連する制度について個別に制度を周知するための措置を講ずるよう努力しなければなりません。
◎育児目的休暇の導入促進
事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者について、育児に関する目的で利用できる休暇制度を設けるよう努力しなければなりません。
◆「つみたてNISA」の申込開始
「つみたてNISA」は、年間40万円を上限に買付けた一定の投資信託(長期の積立・分散投資に適した公募株式投資信託とETE ※)による運用利益が投資した年から最長20年間、非課税となります。買付けは、積立契約(累積投資契約)に基づき、「1ヵ月に1回」など定期的に一定金額の買付けを行う方法に限られています。
なお、通常のNISA (年間投資上限120万円、非課税期間5年)とは選択制となり、同一年に両方の適用はできません。
※信託契約期間が無期限又は20年以上、分配頻度が毎用でないなどの一定要件を満たし、金融庁に届出のあった投資信託が対象です。
◆「フラット35」の制度変更
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する全期間固定金利住宅ローン「フラット35」は、10月申込受付分から団体信用生命保険付きの住宅ローンとなり、年払いでの団信特約料が不要になります。また、保障内容も充実します。
◆療養病床に入院したときの居住費の見直し
65歳以上の方が療養病床に入院したときは、食費と居住費として、定められた標準負担額を自己負担します。このうち居住費について、平成29年10月と平成30年4月からの2 回に分けて変更されます。
①医療の必要性の低い方については、平成29年10月から1日あたり320円から370円に引上げる。
②医療の必要性の高い方(指定難病患者を除く)については、平成29年10月から居住費の標準負担額を0円から1日あたり200円とし、平成30年4月からは370円に引上げる。
◆不動産賃貸取引に係るIT重説の運用開始
不動産の賃貸契約に関する取引に限り、テレビ会議等(テレビ会議システムやテレビ電話など)のIT を活用した重要事項説明を対面による重要事項説明と同様に取り扱うものとされます。