平成29年4月から適用開始となる社会保障関係の改正等
◆協会けんぽの保険料率の改定
・都道府県ごとに設定されている健康保険料率について、平成29 年度は全国平均で10%に据え置きとなりますが、都道府県単位では改定されます(引上げ24 支部、引下げ20 支部、据え置き 3支部)。
・40~64歳までの方(介護保険第2号被保険者)が負担する全国一律の介護保険料率は、 1.65%に引上げられます。
・3月分(4期納付分)から適用となります。
◆予ども・子育て拠出金率の改定
・厚生年金保険の被保険者を使用する事業主が負担する子ども・子育て拠出金は、平成29 年4 月より0.23%に改定されます。
・子ども・子育て拠出金の額は、被保険者個々の厚生年金保険の標準報酬月額及び標準賞与額に拠出金率(0.23%)を乗じた額の総額です。
◆雇用保険法の改正
・平成29 年度の雇用保険料率は、労働者負担・事業主負担ともに0.1 %ずつ引下げ、一般の事業で0.9%、農林水産・清酒製造の事業で1.1%、建設の事業で1.2%とします。
・雇用情勢が悪い地域に居住する者の給付日数を60 日延長する暫定措置を5 年間実施します。また、災害により離職した者の給付日数を原則60 日(最大120 日)延長できることとします。
・雇止めされた有期雇用労働者の所定給付日数を倒産・解雇等並みにする暫定措置を5年聞実施します。
・倒産・解雇等により離職した30~45歳未満の者の所定給付日数を引上げます。
◆短時間労働者に対する社会保険の適用対象拡大
・厚生年金保険の被保険者数が常時501人以上の企業に勤務する短時間労働者に加え、被保険者数が常時500 人以下の企業のうち、短時間労働者について労使合意(働いている方々の1/2 以上と事業主が社会保険に加入することについて合意すること)に基づき申出をする事業所は、健康保険・厚生年金保険の適用対象とすることができます。
・また、事業所の規模にかかわらず、地方公共団体に属する事業所で働いている短時間労働者は、健康保険・厚生年金保険の適用対象となります。
・短時間労働者とは、勤務時間・勤務日数が常時雇用者の3/4未満で、(1)週の所定労働時間が20 時間以上、(2)勤務期間が1 年以上見込まれること、(3)月額賃金が8.8 万円以上、(4)学生以外、の全ての要件に該当する方です。
◆在職老齢年金に係る支給停止調整変更額等の改定
・平成29 年度の在職老齢年金について、60 歳台前半(60 歳~64 歳)の支給停止調整変更額と、60歳台後半(65 歳~69 歳)と70 歳以降の支給停止調整額は46 万円に改定されます。
・60 歳台前半の支給停止調整開始額(28 万円)は変更ありません。
◆国民年金保険料の改定
・平成29 年度の国民年金保険料は、16,490円となります(平成28 年度16,260 円)。
◆年金額の改定
・平成29 年4 月分(6 月15 日支給分)からの年金額は、平成28 年度から0.1 %の引下げとなります。
・老齢基礎年金(満額)ついては、月額64,941 円となります。
◆後期高齢者の保険料軽減特例の見直し
・後期高齢者医療制度の保険料軽減について、所得の低い方(保険料賦課のもととなる金額が58 万円以下)の所得割の軽減を5 割軽減から2 割軽減とします。
・後期高齢者医療制度に加入される前日まで、会社の健康保険や共済組合の被扶養者であった方の均等割の軽減を9割軽減から7割軽減とします。
◆児童扶養手当等の改定
・児童扶養手当や特別児童扶養手当、特別障害者手当、医療特別手当などは、平成28 年度から 0.1%の引下げとなります。