平成30年度税制改正に向けた各府省庁の主な要望
◆所得拡大促進税制の拡充
・賃上げ及び人材投資に積極的に取り組む企業に対する支援措置を強化するため、前年度から、教育訓練費を一定割合増加させた企業については、雇用者給与等支給増加額の一定額を税額控除する。
・中小企業については、外部中核人材の登用も含め、人材投資に取り組む企業への支援を強化するため、新たに外部から中核人材を採用した場合、給与等支給増加額の一定額を税額控除する。
・また、生産性の低い業種の賃上げに対して重点的に支援を行うため、生産性が低い業種に分類される場合、給与等支給増加額の一定額を税額控除する。
・賃上げに取り組む中小企業が本税制をより活用しやすくなるよう要件(雇用者給与等支給額が前事業年度の雇用者給与等支給額を下回らないこと)を見直す。
◆事業承継税制の見直し
円滑な事業承継を促すため、各種要件を抜本的に拡充する。
◆中小企業・小規模事業者の再編・統合等に係る税負担の軽減措置の創設
売却やM&Aによる他企業や親族外経営者等への事業譲渡等に対する優遇措置として、①株式、事業の譲渡益に係る税負担の軽減、②事業譲渡等により生じる資産の移転等に係る税負担の軽減、③一定の要件を満たすファンドから出資を受けた際も中小企業関連の優遇税制の適用が可能とする要件の緩和措置を講じる。
◆自社株式等を対価とした株式取得による事業再編の円滑化措置の創設
自社株式等を対価とした事業買収に応じた株主について、株式譲渡益・譲渡所得への課税の繰延措置を講じる。
◆先進的省エネ・再エネ投資促進税制の創設
省エネ投資促進によるエネルギー効率改善及び再エネの更なる導入拡大を進めるため、①省エネ法と連動した大規模又は高度な省エネ取組に資する省エネ設備投資や、②再エネの自立化・長期安定化に資する投資を促進し、工ネルギー利用の最適化・自給率向上を図る税制措置を新設する。
◆エネルギー環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)の廃止
省エネルギー設備や再生可能エネルギー設備への投資減税は、適用期限をもって廃止する。
◆外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充
一般物品・消耗品それぞれについて、最低購入金額(税抜5,000円以上)を満たす必要があるところ、一般物品についても特殊包装を行う等を条件に、免税販売の購入金額の判定に際し、一般物品と消耗品の合算を認める措置を講じる。
◆NISA等の利便性向上・充実
・NISAの口座開設申込時に、即日で買付けを可能とする。
・非課税期間(一般NISA では5年間)の終了時に、特に意思表示をしない限り(一般口座ではなく)特定口座へ移管されるものとする。
・現在、時限措置であるNISAについて、恒久措置とする。
◆公募投資信託等の内外二重課税の調整
公募投資信託等を経由して支払った外国税を、国内で支払う源泉所得税から控除できるようにするなど、内外二重課税の調整措置を講じる。
◆金融所得課税の一体化(金融商品に係る損益通算範囲の拡大)
金融商品に係る損益通算範囲をデリバティブ取引・預貯金等にまで拡大する。
◆受動喫煙防止対策に伴う税制上の措置
飲食店等における喫煙専用室の早期設置を促すことにより、望まない受動喫煙を防止するため、当面の間、喫煙専用室を設置した場合における税制上の所要の措置を講じる。
◆子育て支援に要する費用に係る税制措置の創設
仕事と家庭の両立を支援するため、やむを得ず公費による支援のない認可外保育施設やベビーシッターを利用する揚合に要する費用の一部について、税額控除の対象とする税制上の措置を講じる。
◆医療機関等の設備投資等に関する特例措置の創設
医療に係る消費税の問題が抜本的に解決されるまでの間、都道府県で策定された医療計画等に資する固定資産を医療機関等が取得した揚合に、税制上の特例措置を創設する。