平成30年10月から開始される主な制度等の概要
◆平成30年度地域別最低賃金の改定
平成30年度の地域別最低賃金ついて、すべての地域で24円以上(24~27円)の引上げとなり、改定額の全国加重平均額は 874円(26 円引上げ)となります。発効日は各都道府県で異なりますが、10月1日~6日までに発効されます。
◆改正労働者派遣法(平成27年9月30日施行)に伴う対応
労働者派遣法の改正から3年が経過しますので、改めて以下の点について確認します。
◎受入れ期間制限ルール
➀の派遣先の「事業所単位」の期間制限・・・同一の事業所において派遣可能期間(3年)を超えて派遣を受け入れることはできません。ただし、派遣先の事業所の過半数労働組合等※から意見を聴いた上であれば、3年を限度として派遣可能期間を延長することができます。
※過半数労働組合が存在しない場合、派遣先の事業所の労働者の過半数を代表する者
②の派遣労働者の「個人単位」の期間制限・・・➀の「事業所単位」の派遣可能期間を延長した場合 でも、派遣先の事業所における同一の組織単位 (いわゆる「課」など)で、3年を超えて同一の 派遣労働者を受け入れることはできません。
◎無許可派遣を行う派遣元事業主からの受け入れ禁止
平成30年9月30日以降、許可を受けていない、(旧)特定労働者派遣事業を行う事業主から、 派遣労働者を継続して受け入れると、法違反となります。
◆健康保険被扶養者の手続き変更
日本国内に住所を有する方を被扶養者に認定する際の身分関係及び生計維持関係の確認について、 申立てのみによる認定は行わず、証明書類に基づく認定を行うよう、事務の取扱いが示されたことに伴い、「健康保険被扶養者(異動)届」について、添付書類の取扱いが変更になります。
扶養認定する際の証明書類として、➀続柄は「戸籍謄(抄)本または住民票」、②収入は「年間収入が確認できる課税証明書等の書類」、③被保険者と別居の場合は「仕送りの事実と仕送額が確認できる預金通帳の写し又は現金書留の控え(写し)」の添付が必要となります。
ただし、一定の要件を満たせば書類の添付を省略でき、➀は被保険者と被扶養者双方のマイナンバーが届書に記載され、事業主が戸籍謄(抄)本または住民票により続柄を確認した旨を備考欄に記載している場合、②は事業主が所得税法上の控除対象配偶者・扶養親族であることを確認した旨を届書に記載している場合、また、16歳未満の場合、③は16歳未満と学生の場合です。
◆社会保険の随時改定における年間平均の取扱い変更
定時決定と同様に、随時改定においても、報酬の月平均額と、年間の報西側の月平均額とが著しく乖離する場合、年間平均による保険者算定の申し立てができるよう改正されました。次の➀~③全てを満たした場合に、年間平均による随時改定の対象となります。
➀現在の標準報酬月額と通常の随時改定による標準報酬月額(昇給(降給)月以後の継続した3ヵ月間の報告州の平均から算出した標準報酬月額)との間に2等級以上の差がある。
②通常の随時改定による標準報酬月額と、昇給(降給)月以後の継続した3ヶ月の間に受けた固定的賃金の月平均額に、昇給(降給)月前の継続した9ヶ月及び昇給(降給)月以後の継続した 3ヶ月の間に受けた非固定的賃金の月平均額を加えた額から算出した標準報商州月額(年間平均額か ら算出した標準報商月額)との間に2等級以上の差がある。
③現在の標準報酬月額と、年間平均額から算出した標準報酬月額との間に1等級以上の差がある。
◆たばこ税の引上げ
たばこ税については、平成30年10月1日、平成32年10月1日、平成33年10月1日 の3回に分けて段階的に実施さされ、それぞれ1本あたり1円ずつ計3円引き上げられます。また、加熱式たばこに係る課税方式の見直しは、平成30年10月1日~平成34年10月1日までの5回に分けて段階的に実施されます。
◆NPO 法人に係る貸借対照表の公告
毎年、NPO法人自らが貸借対照表を作成後、遅滞なく公告することが義務付けられ、平成30年10月1日以降に作成する貸借対照表が対象となります。ただし、平成30年9月30日以前に作成した貸借対照表で直近のもの(特定貸借対照表)についても公告する必要があります。
公告方法は、➀官報に掲載、②日刊新聞紙に掲載、③電子公告法人のホームページや内閣府NPO法人ポータルサイトへの掲載など)、④主たる事務所の公で見やすい場所への掲示、から選択でき、定款で定めた方法により行います。