平成30年1月から適用される主な税制の概要
◆配偶者控除・配偶者特別控除の見直し
・納税者本人の合計所得金額が900万円(給与所得だけの場合の給与等の収入金額が1,120万円)を超える揚合には、その合計所得金額に応じて控除額が逓減し、合計所得金額が1,000万円(同1,220万円)を超える場合には、配偶者控除等の適用を受けることはできません。
・配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下(同103万円超201万円以下)とされました。
・平成30年分の給与を支払う際における扶養親族等の数の算定に当たって、配偶者が源泉控除対象配偶者※に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算します。また、同一生計配偶者が障害者に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算することとされました。
※源泉控除対象配偶者とは、合計所得金額の見積額が900万円以下の給与所得者と生計を一にする配偶者(青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除く)で、合計所得金額の見積額が85万円以下の人をいいます。
◆「つみたてN ISA」の新設
・年間40万円を上限に一定の投資信託(公募株式投資信託、ETF)による運用利益が20年間、非課税となる制度です。
・つみたてNISAで投資できる金融商品は、長期の積立・分散投資に適した一定の商品性を有する投資信託に限定されており、公募株式投資信託の場合、*販売手数料はゼロ(ノーロード)、*信託報酬は一定水準以下、*信託契約期間が無期限又は20年以上、*分配頻度が毎月でない、*ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていない、等の要件を満たすものが対象となります。
・購入方法は、累積投資契約に基づく定期かつ継続的な買付け(積立投資)に限られており、事前にロ座開設した金融機関との間で累積投資契約を締結し、対象銘柄を指定したうえで「1ヶ月に1回」、「年2回のボーナス月」などの定期的な買付けを行います。
◆医療費控除の適用を受ける場合の手続
・所得税の確定申告おいては医療費の領収書を確定申告書に添付又は確定申告書を提出する際に提示することとされていましたが、平成29年分以後の所得税の確定申告において医療費控除の適用を受ける場合は、医療費の領収害に基づいて必要事項を記載した「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付して提出することとされました。
・医療費の領収書は、確定申告期限等から5年間で保存する必要があります。
・医療保険者が発行するもので、①被保険者等の氏名、②療養を受けた年月、③療養を受けた者、④療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称、⑤被保険者等が支払った医療費の額、⑥保険者等の名称の記載がある「医療費費通知」を確定申告書に添付する揚合は、「医療費控除の明細書」の記載を簡略化することができ、医療費の領収書の保存も不要となります。
・平成29年から平成31年までの各年分については、従来どおり医療費の領収書を確定申告書に添付又は確定申告書を提出する際に提示することもできます。
◆広大地の評価の見直し
・従来の広大地の評価は廃止され、「地積規模の大きな宅地の評価」が新設されました。
「地積規模の大きな宅地の評価」の対象となる宅地は、路線価に、奥行価格補正率や不整形地補正率などの各種画地補正率のほか、規模格差補正率を乗じて求めた価額に、その宅地の地積を乗じて計算した価額によって評価します。
・地積規模の大きな宅地とは、三大都市圏においては500㎡以上の地積の宅地、三大都市圏以外の地域においては1,000㎡以上の地積の宅地をいいます。
◆生命保険契約等に係る支払調書の提出
・保険会社等は、生命保険契約等について死亡による契約者変更があった場合には、死亡による契約者変更情報及び解約返戻金相当額等を記載した調書を、税務署長に提出しなければならないとされました。
・生命保険等の支払調書について、保険契約の契約者変更があった場合には、保険金等の支払時の契約者の払込保険料等を記載することすることになりました。