平成30年1月から開始される主な制度等(税制以外)
◆職業安定法の改正
◎労働条件の明示等
ハローワーク等への求人申込みや、ホームページ等で労働者の募集を行う際、求人票や募集要項等に明示しなければならない労働条件等として、以下の事項が追加されました。
・試用期間の有無、試用期間があるときはその期間や試用期間中の労働条件を明示
・労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称
・労働者を派遣労働者として雇用しようとする旨(派遺労働者として雇用する場合)
・賃金に関して、時間外労働の有無に関わらず一定の手当を支給する制度(いわゆる固定残業代制)を採用する場合は、*手当ての金額、*対象となる固定残業時間、*手当てを除いた基本給の額、*固定残業時間を超えた場合に割増賃金を追加で支給する旨、などを明示
・労働時間に関して、裁量労働制を採用する場合には、その旨を明示
◎募集主による労働条件等の変更等に係る明示
募集主は、募集に応じて労働者になろうとする者と労働契約を締結しようとする場合であって、当該募集に応じて労働者になろうとする者に対して明示された従事すべき業務の内容等を変更、特定、削除、又は追加する場合には、変更内容等を明示しなければならない。
◆確定拠出年金制度の改正
個人型年金の掛金は、毎月、定額の掛金を拠出することが基本的な取扱いとなっていますが、平成30年1月より、掛金の拠出を1年の単位で考え、加入者が年1回以上、任意に決めた月にまとめて拠出(年単位拠出)することも可能になりました。
12月分の掛金から翌年11月分までの掛金(実際の納付月は1月~12月)の拠出期間を1年とし、この1年(12ヶ月)を加入者の方が任意に区分し、年間の拠出月(年1回以上の拠出が必要)を決めていただきます。
拠出区分の掛金額は、「5,000円×拠出区分の月数」の金額以上、当該拠出区分の拠出限度額以下で、1,000円単位となります。
掛金を年単位で拠出したい場合は、「加入者月別掛金額登録・変更届」を記入し、事前に拠出の年間計画(「当年の掛金額」及び「翌年以降の掛金額」)を設定する必要があります。
◆教育訓練給付制度の拡充等
◎専門実践教育訓練給付金の拡充
平成30年1月1日以降に受講開始する専門実践教育訓練から、教育訓練給付金の支給率、上限額、支給対象者の要件が以下のように変わります。
・受講者が支払った教育訓練経費の50%(資格取得等した場合、追加で教育訓練経費の20% (合計70%))の支給となります。
・支給の上限額は、年間40万円(資格取得等した場合、年間56万円)となります。
・雇用保険の被保険者または雇用保険の被保険者であった方ともに、支給要件期間※が3年以上(初めて教育訓練給付金の支給を受けようとする方は2年以上)ある方は支給対象となります。
※支給要件期間とは、受講開始日までの間に被保険者等として雇用された一定の要件を満たす期間。
・平成26年10月1日以降、教育訓練給付金を受給したことがある揚合であっても、前回の教育訓練給付金受給日から今回受講開始日前までに3年以上経過している方は支給対象となります。
◎教育訓練給付金の適用対象期間延長が最大20年に
雇用保険の被保険者であった方のうち、離職日の翌日以降1年間のうちに、妊娠、出産、育児 (18歳未満の者の育児に限る)、疾病、負傷などの理由により引き続き30日以上教育訓練の受講を開始することができない場合、ハローワークに申請することにより、離職日の翌日から受講開始日までの教育訓練給付の対象となり得る期間(適用対象期間)について、最大4年までしか延長できませんでしたが、平成30年1月1日より、最大20年まで延長が可能になります。
◆預貯金口座付番制度の開始
金融機関は、預貯金口座に係る顧客の情報をマイナンバーと紐付けて管理することが義務付けられます。銀行が万が一破たんしたときに預貯金の円滑な払い戻しを行う際や、行政機関などによる税務調査や生活保護などの資産調査への回答を行うためにマイナンバーを利用することになります。
なお、預金口座付番を目的としたマイナンバーの届出は義務ではなく、任意となっています。