令和3年8月から適用開始となる主な制度等は
◆産業競争力強化法等の改正
令和3年8月2日から施行される主な制度は以下のとおりです。
【産業競争力強化法関係】
◎事業適応計画の認定制度:①カーボンニュートラル、②DX(デジタルトランスフォーメーション)、③「新たな日常」に向けた事業再構築に関する計画認定を受けた場合に、税制支援(投資促進税制、繰越欠損金の控除上限の特例)や金融支援(利子補給、低利融資)を行う制度
◎債権譲渡における第三者対抗要件の特例:債権の譲渡の通知等が、新事業活動計画の認定を受けた事業者によって提供される情報システムを利用してされた場合には、当該情報システム経由での通知等を、確定日付のある証書による通知等とみなす制度。
◎事業再編計画に関する支援措置の拡充:事業再編計画の認定を受けた場合に活用できる会社法の特例措置の拡充(株式対価M&A時の株式買取請求権の適用除外、スピンオフの際の業務執行者の欠損填補責任の軽減)や金融支援の対象拡充(大規模な買収資金、構造改善費用等)を行う。
◎創業関連保証の保証限度額・対象者の拡充:創業者に対する信用保証制度について、中小企業等経営強化法における措置を産業競争力強化法に統合するとともに、利用対象の拡充(個人事業主が創業後5年未満の間に会社を設立し事業譲渡した場合も利用対象)を行う。
【中小企業等経営強化法関係】
◎中堅企業への成長促進:規模拡大に資する支援策(経営革新計画、経営力向上計画に紐付く支援)について、資本金によらない新たな支援対象類型を創設し、対象拡大する。
◎中小企業の経営資源集約化(M&A)に資する税制:譲り受けようとする企業の財務状況等の調査に関する事項を記載した経営力向上計画の認定を受けた中小企業がM&Aを実施した場合、①設備投資減税(中小企業経営強化税制)、②雇用確保を促す税制(所得拡大促進税制)、③準備金の積立(中小企業事業再編投資損失準備金)の3つの措置を活用できる制度。
【経営承継円滑化法関係】
事業承継(M&Aを含む)を要するものの株主の所在不明によりそれが困難である旨の認定を受けた中小企業者について、所在不明株主からの株式買取り等の手続きに必要な期間を5年から1年に短縮する会社法の特例を措置。
【下請中小企業振興法関係】
◎下請振興法における対象取引類型の拡大:他者に提供するサービスを構成するサービスの委託等、これまで下請振興法の対象としていなかった取引類型を対象に追加。
◎下請中小企業取引機会創出事業者の認定:発注者と下請中小企業との間に入り、中小企業の強みを活かした取引機会等を創出する事業者の認定制度を創設。
◆「業務改善助成金」の特例的な要件を緩和・拡充
◎全事業主対象の特例:1「45円コース」の新設、2同一年度内に2回までの申請を可能とする。
◎特に業況の厳しい事業主※の特例:①賃金引上げ対象人数に「10人以上」の区分を増設し、助成額を450万円から600万円に拡大(事業場内最低賃金900円未満の事業場も対象)、②賃金引上げ額を30円以上とする場合、生産性向上に資する自動車やパソコン等を補助対象に拡充。
※新型コロナの影響を受けて売上等が前年又は前々年比30%減の事業主
◆医薬品医療機器等法の改正
◎地域連携薬局等の認定制度:患者自身が自分に適した薬局を選択できるよう、①入退院時や在宅医療に他医療提供施設と連携して対応できる「地域連携薬局」、②がん等の専門的な薬学管理に他医療提供施設と連携して対応できる「専門医療機関連携薬局」の認定制度を導入。
◎課徴金制度の創設:医薬品、医療機器等の虚偽・誇大広告による販売に対して、課徴金(課徴金対象期間に取引をした医薬品等の売上の4.5%)の納付を命じる制度を創設。
◆介護保険制度の改正
◎補足給付の認定要件と食費の見直し:介護保険施設やショートステイを利用する低所得者に対する食費・居住費の助成(補足給付)について、認定要件の預貯金額を年金収入等80万円以下は単身650万円・夫婦1,650万円、80万円超120万円以下は単身550万円・夫婦1,550万円、120万円超は単身500万円・夫婦1,500万円とするとともに、食費の負担限度額を見直す。
◎高額介護サービス費の負担限度額の見直し:介護サービスの利用者又は同一世帯に課税所得380万円(年収約770万円)以上の65歳以上の方がいる場合の負担限度額(月額)について、課税所得380万円(年収約770万円)~690万円(同1,160万円)未満は93,000円(世帯)、課税所得690万円(同1,160万円)以上は140,100円(世帯)に引上げる。