令和6年度税制改正大綱の概要(主な個人関連)
所得税・個人住民税の定額減税
◆令和6年分の所得税・令和6年度分の個人住民税について、納税者及び配偶者を含めた扶養親族1人につき、所得税額から3万円、個人住民税の所得割から1万円の特別控除を行う。ただし、納税者の令和6年分の所得税に係る合計所得金額(個人住民税については令和6年度分の個人住民税に係る合計所得金額)が1,805万円以下である場合に限る。
・令和6年6月以降の源泉徴収・特別徴収等により実施することとし、給与所得者の場合、所得税については令和6年6月1日以後最初に支払を受ける給与等から源泉徴収される所得税から特別控除の額を控除(控除しきれない額は、以後令和6年中に支払われる給与等に係る源泉徴収税額から順次控除)、個人住民税については令和6年6月に給与の支払をする際に特別徴収を行わず、特別控除後の個人住民税の11分の1の額を令和6年7月から令和7年5月まで毎月徴収する。
◆子育て世帯等に対する住宅ローン控除の拡充
・住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除について、子育て特例対象個人
※が認定住宅等の新築若しくは認定住宅等で建築後使用されたことのないものの取得又は買取再販認定住宅等の取得をして令和6年1月から同年12月までの間に居住の用に供した場合は、住宅借入金等の年末残高の限度額(借入限度額)を上乗せし、認定住宅は5,000万円、ZEH水準省エネ住宅は4,500万円、省エネ基準適合住宅は4,000万円とする。
※子育て特例対象個人とは、*年齢40歳未満で配偶者を有する者、*年齢40歳以上で年齢40歳未満の配偶者を有する者、*年齢19歳未満の扶養親族を有する者のいずれかに該当する個人。
・また、認定住宅等の新築又は建築後使用されたことのないものの取得に係る床面積要件について、合計所得金額1,000万円以下の者に限り40m2に緩和する。
◆子育て世帯等に対するリフォーム減税の拡充
・既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除について、子育て特例対象個人(合計所得金額2,000万円以下に限る)が所有する住宅について一定の子育て対応改修工事をして、令和6年4月から同年12月までの間に居住の用に供した場合を適用対象に追加する。
・一定の子育て対応改修工事とは、①住宅内における子どもの事故を防止するための工事、②対面式キッチンへの交換工事、③開口部の防犯性を高める工事、④収納設備を増設する工事、⑤開口部・界壁・床の防音性を高める工事、⑥間取り変更工事(一定のものに限る)であって、その工事に係る標準的な工事費用相当額が50万円を超えること等の要件を満たすもの。
◆住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長等
直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置について、適用期限を3年延長するとともに、非課税限度額の上乗せ措置の対象となる省エネ等住宅の要件を次のように一部見直し、令和6年1月1日以後の贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税に適用する。・エネルギーの使用の合理化に著しく資する住宅用の家屋の要件について、住宅用家屋の新築等をする場合は省エネ性能が断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6以上(現行は断熱等性能等級4以上又は一次エネルギー消費量等級4以上)であることとする。
◆扶養控除等の見直し(※令和7年度税制改正において結論を得るもの)
◎扶養控除の見直し
児童手当について、所得制限が撤廃されるとともに、支給期間について高校生年代まで延長されることを踏まえ、16歳から18歳までの扶養控除について所得税25万円、住民税12万円(現行は所得税38万円、住民税33万円)に縮小し、令和8年分以降の所得税及び令和9年度分以降の個人住民税に適用することについて令和7年度税制改正で結論を得る。
◎ひとり親控除の拡充
ひとり親控除について、対象となる親の所得要件を合計所得金額1,000万円以下(現行は500万円以下)に引上げるとともに、控除額を所得税38万円、住民税33万円(現行は所得税35万円、住民税30万円)に引上げて、令和8年分以降の所得税及び令和9年度分以降の個人住民税に適用することについて、令和7年度税制改正で結論を得る。
◎子育て世帯に対する生命保険料控除の拡充等
新生命保険料に係る一般生命保険料控除について、23歳未満の扶養親族を有する場合は適用限度額を6万円(現行は4万円)に引上げる(一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の合計適用限度額は現行の12万円から変更しない)。また、一時払生命保険について控除の適用対象から除外することを検討し、令和7年度税制改正で結論を得る。