令和6年分所得税の確定申告(還付申告)を行う際の注意点等
◆申告を行う際の注意点等
◎定額控除の適用
・令和6年分の所得税の確定申告を行う方で、合計所得金額が1,805万円以下(給与収入のみの方の場合、給与収入2,000万円以下)である場合は、定額減税額を控除して計算を行います。
・給与等に係る源泉徴収税額と公的年金等に係る源泉徴収税額の両方から定額減税の適用を受けていることだけをもって、確定申告の義務は発生しません。
◎基礎控除の適用
・合計所得金額が2,500万円を超える場合は基礎控除の適用は受けられません。
◎配偶者控除及び配偶者特別控除の適用
・合計所得金額が1,000万円を超えている方は配偶者控除等の適用は受けられませんが、配偶者が同一生計配偶者に該当する場合は、申告書第二表の「配偶者や親族に関する事項」欄に氏名等を記載の上、「同一」に○を記入します。
◎扶養控除の適用
・同居をしていない場合でも常に生活費等を送っているなど生計が一であれば対象となります。
・国外居住親族については、非居住者の扶養親族が30歳以上70歳未満の場合、1留学生、2障害者、3年38万円以上の送金を受けている、のいずれかに該当する場合に限り対象となります。
◎ひとり親控除の適用
・婚姻歴や性別にかかわらず、現に婚姻をしていない者のうち合計所得金額が500万円以下で、生計を一にする子を有するなどの要件を満たす場合は対象となります。
・事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる一定の人がいる場合は対象外です。
◎地震保険料控除の適用
・平成18年12月までに締結した一定の長期損害保険契約等に係る保険料は対象となります。
◎医療費控除の適用
・高額療養費や出産育児一時金、保険会社からの入院給付金などで補填される金額は、給付の目的となった医療費の金額を限度として支払った医療費の額から差し引きますが、傷病手当金や出産手当金は補填金に含まれません。なお、補填金が確定していない場合は見込額に基づき計算します。
・セルフメディケーション税制との選択となり、一度選択した控除を変更することはできません。
◎寄附金控除の適用
・ふるさと納税をした方が確定申告をする場合は、ワンストップ特例が適用されないため、令和6年中に支払った全てのふるさと納税の金額を計算に含める必要があります。
◎雑損控除の適用
・災害や盗難、横領で資産が損害を受けた場合に適用できますが、詐欺や恐喝は対象外です。
◎住宅ローン控除の適用
・住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税措置の適用を受けている場合には、住宅ローン控除額の計算において、その非課税措置を受けた金額を住宅の購入金額から差し引いて計算します。
・入居した年及びその年の前2年に譲渡所得の課税の特例(3,000万円の特別控除など)を適用している場合や、入居した年の翌年以後3年以内に入居した住宅及びその敷地以外の一定の資産の譲渡について譲渡所得の課税の特例を適用している場合は、住宅ローン控除は適用できません。
・繰上返済等により住宅ローンの償還期間が10年未満となった場合、適用は受けられません。
◎副収入等の申告
・年末調整が済んでいる給与所得者でも、フリマアプリなどを利用した個人取引や暗号資産の売却などで、給与所得以外の所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。なお、不要になった衣類や生活用品等の売却による所得は非課税です。
◎一時所得の申告
・生命保険会社などから満期金や一時金を受け取った場合は、その収入が一時所得として申告する必要がないか、生命保険会社などから送付された書類で確認します。
◎上場株式等に係る申告
・特定口座(源泉徴収あり)を利用している場合は原則、確定申告は必要ありませんが、譲渡損失の繰越控除や複数の口座間で損益通算する場合は確定申告が必要です。その場合、譲渡益等が「合計所得金額」に含まれるため、配偶者控除等の適用に影響が出る可能性があります。
・上場株式等の配当所得等及び譲渡所得等(源泉徴収口座に限る)について、所得税と個人住民税で異なる課税方式を選択することができなくなったため、所得税で選択した課税方式になります。