「NISA」「つみたてNISA」「iDeCo」の主な特徴
◆NISAの概要
NISAロ座で年聞120万円の範囲内で購入した金融商品から得た利益(配当金、譲渡益等)が最長5年間、非課税となります。非課税期間が終了した後は、保有している金融商品を翌年の非課税投資枠に移すこと(ロールオーバー)ができます。なお、ロールオーバー可能な金額に上限はなく、時価が120万円を超過している場合も、全て翌年の非課税投資枠に移すことができます。
なお、NISAロ座は1人1ロ座しか開設できません。ただし開設する金融機関は1年単位で変更可能です。また、NISAで取引した損益は、他のロ座(一般口座や特定口座)との損益通算や、損失を翌年以降に繰り越しすることができません。
◆つみたてNISAの概要
年間40万円を投資上限として、一定の投資信託等を定期かつ継続的な方法(積立投資)で買付けた場合の利益が最長20年間、非課税となります。対象となる投資商品は、長期の積立・分散投資に適した投資信託・ETFで、*信託契約期間が無期限又は20年以上、*分配頻度が毎月でない、などの一定要件を満たすもので、定期的に一定金額の買付けを行う積立投資に限られます。
なお、通常のNISAとは選択制となり、同一年に両方の適用はできません。まだ、通常のNISAとは異なり、ロールオーバーはできません。
◆iDeCo(個人型確定拠出年金)の概要
公的年金に上乗せして給付を受け取れる制度で、加入者が金融機関を選択して掛金を拠出し、その金融機関が提示する運用商品を自ら選び運用を行うため、運用実績によって給付額が変動します。基本的には60歳未満の全ての方が加入でき、掛金の拠出時、運用時、受給時、それぞれの段階で税法上の優遇措置が講じられています。
掛金については、加入者によって異なる拠出限度額が設けられていますが、小規模企業共済等掛金控除として全額が所得控除の対象となります。また運用段階で得た利益は全額が非課税です。受給については、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金の3種類があり、老齢給付金は原則60歳から年金又は一時金で受取ることができ、年金で受取る場合は雑所得として公的年金等控除、一時金で受取る場合は退職所得として退職所得控除が適用できます。
なお、60歳になるまで原則として資産を引き出すことができません。
【簡易比較表】
NISA | つみたてNISA | iDeCo | |
対象者 | 20歳以上 | 20歳以上 | 20歳以上60歳未満 |
拠出額の上限 | 年間120万円 | 年間40万円 | 年間14万4,000円~81万6,000円(加入者により異なる) |
投資対象商品 | 上場株式、公募株式投資信託、ETF、上場REIT、ETNなど | 公募株式投資信託、ETFのうち一定基準を満たした銘柄 | 投資信託、保険商品、定期預金など |
投資可能期間 | 2023年12月末まで | 2037年12月末まで | 期間なし |
投資方法 | 制限なし | 積立投資に限る | 毎月掛金を拠出(年1回以上、任意の月にまとめて拠出も可能) |
引き出し可能期間 | いつでも可能 | いつでも可能 | 原則60歳以降 |
税制優遇措置 | 運用益が最長5年間非課税 | 運用益が最長20年間非課税 |
・掛金は小規模企業共済等掛金控除として全額所得控除 ・運用益は非課税 ・年金で受給する場合は公的年金等控除、一時金で受給する場合は退職所得控除 |