生活者が望む消費増税時の価格表示方法
博報堂(消費税対策研究プロジェクト)は、2014年4月より実施が予定されている消費増税に関し、「価格表示の方法」について生活者がどのようにとらえているか調査しました(インターネットにより全国の20~60歳代の男女1000名を対象)。調査の概要は以下の通りです。
◆最も良いと思う価格表示について
2014年4月に消費増税が実施された場合、現在では認められていない「税抜表示」が、税抜であることが明示されていれば、条件付きで認められるようになります。
「税抜表示」(本体価格のみの表示)は、増税後に本体価格が値上がりしたかどうかがわかるという利点はありますが、一方で、最終的に支払う税込金額がわかりにくいという点もあります。
そこで、現在の表示価格750円(税込)の商品について、税込表示から税抜表示まで、9つのパターンを例示し「あなたが最も良いと思うもの」を選んでもらいました。
その結果、生活者が最も良いと多くの支持があったのは、「税込表示」に「本体価格」と「税額」までが記載されているというものでした。特に、税率引き上げ後にこのパターンを支持する人は約1.2倍に増加し、その傾向は強まっています。一方で税抜表示を支持する人は、非常に少ない結果となりました。
【現状で最も良いと思う表示方法】
750円 | 1.3% |
750円【税込】 | 16.5% |
750円【本体価格714円】 | 16.4% |
750円【うち消費税36円】 | 17.7% |
750円【本体714円、消費税36円】 | 40.1% |
税抜714円(税込750円) | 7.3% |
税抜714円+税 | 0.3% |
714円 税抜 | 0% |
税抜714円 税36円 | 0.4% |
【税率引上げ後、最も良いと思う表示方法】
771円 | 1.3% |
771円(税込) | 11.9% |
771円(本体価格714円) | 13.6% |
771円(うち消費税57円) | 18.8% |
771円(本体714円、消費税57円) | 48.1% |
本体価格714円(税込771円) | 4.0% |
税抜714円+税 | 0.3% |
714円 税抜 | 0.3% |
税抜714円 税57円 | 1.7% |
◆税込表示と税抜表示が混在することについて
税込金額、税抜金額のいずれもが表示可能になることについて、どのように感じるか聞いたところ、「店によって表示方法が異なると混乱する:87.7%」、「商品を手に取る時点で消費税額を含む支払金額すべてを把握したい:81.9%」、「これまでのまま税込表示に統一されている方が混乱がない:77.5%」となりました。税込表示と税抜表示が混在することについて、不安を感じていることが分かります。
店によって表示の方法が異なると混乱すると思う | 87.7% |
商品を手に取る時点で(レジを通過する前に)、消費税額を含む支払い金額すべてを把握したい | 81.9% |
これまでのまま「税込表示」に統一されているほうが混乱がないと思う | 77.5% |
同じ商品・同じ本体価格であっても、表示額が異なれば(税抜表示か、税込表示か)、税込表示のほうが支払い金額を計算しやすいので、買いやすい | 66.4% |
自分がいくら消費税を負担することになるか、きちんと把握しておきたいと思う | 60.8% |
商品を手に取る時点で(レジの通過前に)、消費税額がいくらになるのか把握したい | 57.9% |
税抜表示と税込表示が混在する場合、消費税率が8%(または10%)に引き上げられると、商品の「値頃感」がわからなくなり、買いづらくなると思う | 54.6% |
表示方法が変わっても、買物行動には影響しないと思う | 28.9% |
「税抜表示」の店と「税込表示」の店では、税込表示の店のほうが財布の紐が締まると思う | 28.2% |
ふだんよく行くお店の表示方法が「税抜価格」に変わった場合、買物をする店を「税込価格」をしている別の店に変えると思う | 25.8% |