所得拡大促進税制における要件の見直し
次のとおり、要件の見直しが行われた上、制度の適用期限が平成30年3月31日まで2年延長されました。
◆雇用者給与等支給増加割合に係る要件の見直し
「雇用者給与等支給増加額の基準雇用者給与等支給額に対する割合が5%以上であること」との要件が、事業年度の区分に応じて次のとおりとされました。
①平成27年4月1日前に開始する事業年度:2%以上であること
②平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度:3%以上であること
③①及び②以外の事業年度:5%以上であること
※基準年度とは、平成25年4月1日以後に開始する各事業年度又は各連結事業年度のうち最も古い事業年度又は連結事業年度開始の日の前日を含む事業年度又は連結事業年度をいいます。
◆平均給与等支給額に係る要件の見直し
「平均給与等支給額が比較平均給与等支給額以上であること」との要件が、これらの額の計算の基礎となる給与等の支給額を継続雇用者に対するものに限定した上、比較平均給与等支給額を超えることとされました。
◎平均給与等支給額
その適用を受けようとする事業年度(以下「適用年度」)の継続雇用者に対する給与等の支給額(以下「継続雇用者給与等支給額」)をこれに係る給与等支給者数で除して計算した金額。
◎比較平均給与等支給額
適用年度開始の日の前日を含む事業年度又は連結事業年度の継続雇用者に対する給与等の支給額(以下「継続雇用者比較給与等支給額」)をこれに係る給与等支給者数で除して計算した金額。
◎継続雇用者
継続雇用者とは、適用年度及び適用年度開始の日の前日を含む事業年度又は連結事業年度(以下「前事業年度等」)において、給与等の支給を受けた国内雇用者をいいます。すなわち、適用年度である当期と前期のいずれにおいても給与等の支給がある国内雇用者は、一律、その支給をした法人の継続雇用者に該当することとなります。
◎継続雇用者給与等支給額
平均給与等支給額の計算の基礎(分子の額)となる継続雇用者給与等支給額は、雇用者給与等支給額のうち、継続雇用者に係る金額とされています。この金額は、一般被保険者に該当する者に対して支給したものに限られていますので、継続雇用者に対して支給された雇用者給与等支給額であっても、雇用保険の一般保険者に該当しないときに支給されたものは除くこととなります。また、高年齢者雇用安定法による継続雇用制度対象者に対して支給したものを除くこととされています。
◎継続雇用者給与等支給額に係る給与等支給者数
平均給与等支給額の計算の基礎(分母の数)となる継続雇用者給与等支給額に係る給与等支給者数は、適用年度に含まれる各月ごとの給与等の支給の対象となる継続雇用者のうち、継続雇用者給与等支給額に係るものの数を合計した数とされています。すなわち、適用年度中の各月の継続雇用者給与等支給額の支給を受けた継続雇用者の数の延べ人数ということになります。なお、同一の継続雇用者につき、同一月に2回以上の継続雇用者給与等支給額の支給があった場合も、その月のその継続雇用者は1人と数えます。
◎継続雇用者比較給与等支給額
比較平均給与等支給額の計算の基礎(分子の額)となる継続雇用者比較給与等支給額は、前事業年度等に係る給与等支給額のうち、継続雇用者に係る金額とされています。この継続雇用者は、比較する対象を合わせるため、適用年度における継続雇用者給与等に係るものに限られています。また、継続雇用者給与等支給額と同様に、一般被保険者に該当するものに対して支給した給与等支給額に限られ、継続雇用制度対象者に対して支給した給与等支給額を除くこととされています。
◎継続雇用者比較給与等支給額に係る給与等支給者数
比較平均給与等支給額の計算の基礎(分母の数)となる継続雇用者比較給与等支給額に係る給与等支給者数は、前事業年度等に含まれる各月ごとの給与等の支給の対象となる継続雇用者のうち、継続雇用者比較給与等支給額に係るものの数を合計した数とされています。