10月から拡充される「教育訓練給付金」の概要
教育訓練給付制度とは、一定要件を満たす方が、厚生労働大臣の指定を受けた教育訓練講座を自己負担で受講したときに、教育訓練にかかった経費(入学料や受講料など)の一部について、ハローワークから給付金の支給を受けられるという制度です。
平成26年10月から給付内容が拡充され、従来の枠組みを引き継いだ「一般教育訓練の教育訓練給付金」と、拡充された「専門実践教育訓練の教育訓練給付金」の2本立てになります。
◆一般教育訓練の教育訓練給付金の概要
【対象となる方】
次の(1)又は(2)のいずれかに該当し、厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を修了した方
(1)雇用保険の一般被保険者……一般教育訓練の受講開始日に、支給要件期間(同一の事業主に一般 被保険者または短期雇用特例被保険者として雇用された期間)が3年以上ある方
(2)雇用保険の一般被保険者であった方……一般被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受 講開始日までが1年以上であれば可能となります。
※(1)(2)とも、当分の間、平成26年10月1日以降、初めて、教育訓練給付金の支給を受けようとする方 については、支給要件期間が1年以上あれば可能となります。
【対象となる「一般教育訓練」とは】
情報処理技術者資格、簿記検定、訪問介護員を目指す講座など、働く人の職業能力アップを支援する教育訓練として、厚生労働大臣が指定した講座です。
【支給額】
教育訓練経費の20%(上限10万円)で、4,000円を超えない場合は支給されません。訓練期間にかかわらず、給付回数は1回です。
◆専門実践教育訓練の教育訓練給付金の概要
【対象となる方】
次の(1)又は(2)のいずれかに該当し、厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練を修了する見込みをもって受講している方と、修了した方
(1)雇用保険の一般被保険者……一般教育訓練の受講開始日に、10年以上の支給要件期間(同一の事 業主に一般被保険者または短期雇用特例被保険者として雇用された期間)がある方
(2)雇用保険の一般被保険者であった方……一般被保険者資格を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講 開始日までが1年以内であり、かつ、支給要件期間が10年以上ある方
※(1)(2)とも、当分の間、初めて専門実践教育訓練給付金の支給を受けようとする方については、支給要 件期間が2年以上であれば可能となります。
【対象となる「専門実践教育訓練」とは】
中長期的なキャリア形成に資する専門的・実践的な教育訓練として、厚生労働大臣が指定した教育訓練で、次のようなものが指定されています。
(1)業務独占資格、名称独占資格の取得を目指す養成施設の課程(看護師、介護福祉士、保育士、建築 士など、専門的職業に就業するための教育訓練)
(2)専門学校の職業実践専門課程(工業、医療、商業実務など、専門学校の専門課程のうち、企業などと の連携により、最新の実務知識などを身につけられるよう教育課程を編成したものとして文部科学大臣 が認定したもの)
(3)専門職大学院(高度専門職業人の養成を目的とした課程)
【支給額】
教育訓練経費の40%(年間上限32万円)で、給付期間は原則2年(資格の取得につながる場合は最大3年)です。6ヶ月ごとに支給申請に基づいて支給されます。
【追加支給】
受講修了後に受講した専門実践教育訓練が目標としている資格取得などをし、修了日の翌日から1年以内に一般被保険者として雇用された場合は、さらに教育訓練経費の20%にあたる追加支給を受けることができます。この場合の支給額合計は、最大で教育訓練経費の60%(年間上限48万円、3年間で最大144万円)となります。