マイナンバーに対する企業の意識調査と小規模企業の導入チェックリスト
◆マイナンバーに対する企業の意識調査(帝国データバンク)
◎マイナンバー制度に対する認知状況
マイナンバー制度に対する認知について尋ねたところ、「内容も含めて知っている」と回答した企業は 43.5%となり、マイナンバー制度の内容まで知っている企業は約 4割にとどまった。「言葉だけ知っている」という企業が半数超に上っているものの、企業の9割超は何らかの形でマイナンバー制度に対する認識を有していた。従業員数別では、従業員数が 1,000人超の企業で 64.2%がマイナンバー制度を内容まで知っているが、20人以下の企業では 3割台にとどまっており、規模の小さい企業において制度の理解が進んでいない様子がうかがえる。
◎マイナンバー制度の対応状況
自社におけるマイナンバー制度への対応状況について尋ねたところ、「対応は完了した」という企業はわずか 0.4%だった。対応を検討・進めているとした「対応中」は 18.7%で、対応完了と合わせても2割に満たない。また、「予定はあるが、何もしていない」企業が 62.0%に上っており、マイナンバー制度について多くの企業は認識を持っているにもかかわらず、対応が進んでいない実態が浮き彫りとなった。
◎マイナンバー制度への対応内容
マイナンバー制度への対応状況について「対応は完了した」「対応中」のいずれかを回答した企業 2,042社に対して、具体的にどのような対応を行っているか尋ねたところ、「給与システム(源泉徴収票等)の更新」と回答した企業が約 5割で最多となった(複数回答)。次いで、「社会保障関係書類(社会保険、健康保険等)の更新」「基本方針・取扱規定等の策定」が3割台で続き、「従業員への周知方法の検討」「従業員や家族のマイナンバー把握・登録・管理方法の整備」が上位に挙がった。情報管理の重要項目にあがる「情報セキュリティの整備(情報漏洩防止等)」(26.2%)は7位となっており、4社に1社にとどまっていた。
◎法人番号制度に対する認知状況
法人番号制度に対する認知について尋ねたところ、「内容も含めて知っている」と回答した企業は20.7%にとどまった。他方、「知らなかった」企業が 37.7%で約 4割に達しており、法人番号制度に対する認識は広がっていないことが明らかとなった。「知らなかった」企業を従業員数別にみると、概ね従業員が少ない企業で高い。特に、従業員数が5人以下の企業では半数超が法人番号税度の存在自体を認識していなかった。
◆小規模企業におけるマイナンバー導入チェックリスト
従業員の少ない事業者では、以下のチェックリストを参考にしてください。
<担当者の明確化と番号の取得>
□マイナンバーを扱う人を、予め決めておきます(給料や社会保険料を扱っている人など)。
□マイナンバーを従業員から取得する際には、利用目的(「源泉徴収票作成」「健康保険・厚生年金保険届出」「雇用保険届出」)を伝えます。
□マイナンバーを従業員から取得する際は、番号が間違っていないかの確認と身元の確認が必要です。
※①顔写真の付いている「個人番号カード」か、②10月から届く「通知カード」と「運転免許証」などで確認。従業員で身元の確認が十分できている場合は、番号だけ確認。
<マイナンバーの管理・保管>
□マイナンバーが記載された書類は、カギのかかる棚や引き出しに大切に保管します。無理にパソコンを購入する必要はありません。
□パソコンがインターネットに接続されている場合は、ウィルス対策ソフトを最新版に更新するなどセキュリティ対策を行います。
□従業員の退職や契約の終了などでマイナンバーが必要なくなったら、復元不可能な程度に細断できるシュレッダーなどでマイナンバーの書いてある書類を廃棄します。また、パソコンに入っているマイナンバーも削除します。
<従業員への確認事項>
□従業員にマイナンバーについての資料の配布などを行い、通知が届く時期や何に使うかなど、基本的なことを知ってもらいます。