空家対策特別措置法における「特定空家等」について
◆「特定空家等」に対する措置の概要
市町村長は、特定空家等の所有者等に対し、除却、修繕、立木竹伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとるよう助言又は指導、勧告及び命令の手続の順を経て行うことができるとともに、その措置を命ぜられた者がその措置を履行しないとき、履行しても十分でないとき又は履行しても期限までに完了する見込みがないときは、行政代執行法の定めるところに従い、当該措置を自らし、又は第三者をしてこれをさせることができる。
◆固定資産税等の住宅用地特例に関する措置
「特定空家等」に該当する家屋に係る敷地が、固定資産税等のいわゆる住宅用地特例の対象であって、市町村長が当該「特定空家等」の所有者等に対して除却、修繕、立木竹の伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置をとることを勧告した場合は、当該「特定空家等」に係る敷地について、固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外される。
◆「特定空家等」の判断基準
【そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態】
◎建築物が著しく保安上危険となるおそれがある。
(1)建築物が倒壊等するおそれがある。
イ 建築物の著しい傾斜
・基礎に不同沈下がある ・柱が傾斜している 等
ロ 建築物の構造耐力上主要な部分の損傷等
・基礎が破損又は変形している ・土台が腐朽又は破損している 等
(2)屋根、外壁等が脱落、飛散等するおそれがある。
・屋根が変形している ・屋根ふき材が剥落している。 ・壁体を貫通する穴が生じている
・看板、給湯設備等が転倒している。 ・屋外階段、バルコニーが腐食、破損、脱落して いる 等
◎擁壁が老朽化し危険となるおそれがある。
・擁壁表面に水がしみ出し、流出している等
【そのまま放置すれば著しく衛生上有害となるおそれのある状態】
(1)建築物又は設備等の破損等が原因で、以下の状態にある。
・吹付け石綿等が飛散し暴露する可能性が高い状況である
・浄化槽等の放置、破損等による汚物の流出、臭気の発生がある
・排水等の流出による臭気の発生があり、地域住民の日常生活に支障を及ぼしている
(2)ごみ等の放置、不法投棄が原因で、以下の状態にある。
・ごみ等の放置、不法投棄により臭気や、多数のねずみ、はえ、蚊等が発生している
【適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態】
(1)適切な管理が行われていない結果、既存の景観ルールに著しく適合していない状態である。
・景観法に基づき景観計画を策定している場合において、当該景観計画に定める建築物又は工作物の形態意匠等の制限に著しく適合していない状態となっている
・地域で定められた景観保全に係るルールに著しく適合しない状態となっている 等
(2)その他、以下のような状態にあり、周囲の景観と著しく不調和な状態である。
・屋根、外壁等が、汚物や落書き等で外見上大きく傷んだり汚れたまま放置されている
・多数の窓ガラスが割れたまま放置されている
・立木等が建築物の前面を覆う程度まで繁茂している 等
【その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態】
(1)立木が原因で、以下の状態にある。
・立木の枝等が近隣の道路等にはみ出し、歩行者等の通行を妨げている 等
(2)空家等に住みついた動物等が原因で地域住民の日常生活に支障を及ぼしている状態にある。
・動物のふん尿その他の汚物の放置により、臭気が発生している
・シロアリが大量に発生し、近隣の家屋に飛来している 等
(3)建築物等の不適切な管理が原因で、以下の状態にある。
・門扉が施錠されていない等、不特定の者が容易に侵入できる状態で放置されている 等