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個人型確定拠出年金の制度改正と概要

◆個人型確定拠出年金(個人型DC)制度の改正

 確定拠出年金法の改正法が平成28年5月24日に成立し、6月3日に公布されました。平成29年1月1日から以下の改正が施行されます。

◎個人型確定拠出年金の加入範囲拡大

 加入対象者は、自営業者や企業年金等に加入してない会社員に限定されていましたが、平成29年1月1日から企業年金加入者、公務員等共済加入者、私学共済加入者、第3号被保険者(専業主婦等)についても対象となり、基本的に60歳未満の全ての方が加入できるようになります。

<拡大される加入対象者と拠出限度額>

・企業型確定拠出年金加入者(他の企業年金がない場合):月額2.0万円(年額24.0万円)

・企業型確定拠出年金加入者(他の企業年金がある場合):月額1.2万円(年額14.4万円)

・確定給付型企業年金のみ加入者及び公務員等共済加入者:月額1.2万円(年額14.4万円)

・第3号被保険者:月額2.3万円(年額27.6万円)

※国民年金保険料の免除を受けている方は原則加入できません。また、企業型DC加入者の場合、事業主が企業型DC規約を変更しなければならないなど諸条件があります。

◎脱退一時金の支給要件の変更

 老後の資産形成を図るための制度であることを明確化するため、脱退要件が縮小されます。

・平成29年1月1日から脱退一時金を受け取ることができる方は、原則、「生活保護受給中の法定免除者、申請免除者、学生納付特例適用者または納付猶予適用者」及び「企業型DCの加入者でなくなった方で個人別管理資産額1万5千円以下の方」で支給要件を満たした方のみとなります。

・個人型DC及び企業型DCの加入者でなくなった日が、平成28年12月31日以前の方には、経過措置として現行制度の脱退一時金の支給要件が適用されます。

◆個人型確定拠出年金の概要

◎掛金の運用

 掛金を60歳になるまで拠出し、60歳以降、加入期間などに応じて受給できる年齢が決まります。拠出した掛金の運用は、運営管理機関が提示する運用商品の中から、加入者自らが選択し運用します。また、選択した運用商品は、原則いつでも変更することができます。

 なお、掛金には、加入者の状況に応じた拠出限度額があり、第1号被保険者(自営業者等)は月額68,000円、企業年金等に加入してない会社員は月額23,000円が限度額です。

◎受給方法

 給付の種類は、老齢給付金、障害給付金、死亡一時金の3種類です。

 老齢給付金は原則60歳から年金または一時金で受け取ることができます。また、障害給付金の場合は本人が年金または一時金で、死亡一時金の場合は遺族が一時金で受け取れます。

※老齢給付金は、最初の拠出から経過年数により、受給可能年齢が異なります。

◎税制上の優遇措置

 拠出段階(掛金)、運用段階(年金資産)、給付段階(給付金)のそれぞれの段階で、税法上の優遇措置が講じられています。

・拠出段階:支払われた掛金については全額所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となり、所得税、住民税が軽減されます。

・運用段階:運用して得た収益は、全額非課税です。

・給付段階:老齢給付金を年金として受け取る場合は「公的年金等控除」、一時金として受け取る場合は「退職所得控除」が適用されます。なお、障害給付金は非課税となり、死亡一時金はみなし相続財産として相続税がかかります。

◎加入する際の留意点

・運用方法を加入者個人が決め、運用リスクは加入者個人が負うことになります。運営管理機関がさまざまな運用商品を提示していますので、よく検討してから加入しましょう。

・掛金は原則60歳まで引き出すことができません。
※掛金の額は、原則、年に1回変更することができます。

・加入時の手数料や毎月の口座管理費などの各種手数料があります。

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