申告内容に間違いがあった場合などの取扱い
◆確定申告の申告内容に間違いがあった場合
法定申告期限後に計算違いなど、申告内容の間違いに気付いた場合などは、次の方法で訂正します。なお、法定申告期限内に同じ人から確定申告書が2以上提出された場合は、特段の申出がない限り、最後に提出された申告書をその人の申告書として取り扱うことになっているため、法定申告期限前に間違いを発見した場合は、正しい計算に基づいて作成した新たな申告書を提出します。
◎納める税金が多過ぎた場合や還付される税金が少な過ぎた場合
更正の請求という手続をすることで、税金が還付されます。この手続は、更正の請求書を税務署長に提出することにより行います。更正の請求書が提出されると、税務署ではその内容を調査し、納め過ぎの税金がある等と認めた場合には、減額更正(更正の請求をした人にその内容が通知されます)が行われ、納め過ぎの税金が還付されます。
更正の請求ができる期間は、原則として法定申告期限から5年以内です。
◎納める税金が少な過ぎた場合や還付される税金が多過ぎた場合
「修正申告」により誤った内容を訂正します。修正申告をする場合は、「申告書B 第一表」と「第五表(修正申告書・別表)」の用紙に必要事項を記入して所轄税務署長に提出します。
修正申告によって新たに納付することになった税額は、修正申告書を提出する日(納期限)までに納めます。この納付する税額には、法定納期限の翌日から完納する日までの期間について延滞税(平成30年中の延滞税の割合は、納期限の翌日から2月を経過する日までは年2.6%、納期限の翌日から2月を経過した日以降は年8.9%)がかかりますので、併せて納付します。
なお、税務署の調査を受けた後で修正申告をしたり、更正を受けたりすると、新たに納めることになった税額のほかに、その税額の10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)の過少申告加算税がかかります。
なお、税務署の調査を受ける前に自主的に修正申告をした場合は、過少申告加算税はかかりません。ただし、平成29年1月1日以後に法定申告期が到来するもの(平成28年分以後)については、修正申告書が調査通知(実地の調査を行う旨、調査の対象となる税目、調査の対象となる期間の3項目の通知)以後に提出された場合、5%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は10%)の過少申告加算税が課されます。
◆確定申告を忘れていた場合
期限後申告として取り扱われ、申告等によって納める税金のほかに無申告加算税が課されます。期限後申告によって納める税金は、申告書を提出した日が納期限となり、納付の日までの延滞税を併せて納付する必要があります。
各年分の無申告加算税は、原則として、納付すべき税額に対して、50万円までは15%、 50万円を超える部分は20%の割合を乗じて計算した金額となりますが、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告をした場合には、この無申告加算税が5%の割合を乗じて計算した金額に軽減されます。ただし、平成29年1月1日以後に法定申告期が到来するもの(平成28年分以後)については、自主的な期限後申告が調査通知以後に行われた場合、50 万円まで10%、50万円を超える部分は15%となります。
また、平成28年分以後は、期限後申告等があった日の前日から起算して5年前の日までの間に、その期限後申告等に係る税目について無申告加算税(調査による更正又は決定の予知後に課されたものに限る)又は重加算税を課されたことがある場合、10%加重される措置が設けられています(平成28年12月31日以前に法定申告期限等が到来した国税に係る期限後申告等に基づき課される加算税には、この加重措置の適用はありません)。
なお、期限後申告であっても、次の要件を全て満たす場合には無申告加算税は課されません。
*その期限後申告が、法定申告期限から1月以内に自主的に行われていること。
*期限内申告をする意思があったと認められる次の①及び②のいずれにも該当すること。
①その期限後申告に係る納付すべき税額の全額を法定納期限(口座振替納付の手続をした場合は期限後申告書を提出した日)までに納付していること。
②その期限後申告書を提出した日の前日から起算して5年前までの間に、無申告加算税又は重加算税を課されたことがなく、かつ、期限内申告をする意思があったと認められる場合の無申告加算税の不適用を受けていないこと。