所得税の確定申告をする際の注意点等
◆申告の際に多い誤りや注意点等
◎医療費控除の計算誤り
・高額療養費、高額介護合算療養費、出産育児一時金や生命保険会社・損害保険会社からの入院給付金などで補填される金額は、その給付の目的となった医療費の金額を限度として、支払った医療費の額から差し引きます。
・健康保険組合等が発行する医療費通知(医療費のお知らせなど)を添付した場合は、明細書の記入を省略できますが、医療費通知には窓口で交払った全ての医療費が記載されているわけではなく、保険適用外の費用などは含まれていません。記載されていない医療費がある場合は、領収書を基に明細書に記入します。
◎寄附金控除の適用漏れ
ふるさと納税ワンストップ特例の適用に関する申請書を提出している方であっても、確定申告をする場合や、寄附先が5団体を超える場合は、特例が適用されないため、全てのふるさと納税の金額を寄附金控除の計算に含める必要があります。
◎住宅ローン控除の適用誤り
・住宅取得等資金の贈与について贈与税の非課税特例の適用を受けている場合には、住宅ローン控除額の計算において、その特例を受けた金額を住宅の購入金額から差し引いて計算します。
・入居した年分及びその年の前後2年分(計5年分)の間に、居住用財産を売却等して譲渡所得の課税の特例を受けた場合※は、住宅ローン控除の適用を受けることができません。
※譲渡所得の課税の特例を受けた場合とは、①居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(軽減税率の特例)、②居住用財産の譲渡所得の特別控除(3,000万円の特別控除)③特定の居住用財産の買換え等の特例、④既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え等の特例のいずれかの適用を受ける場合をいい、新居に住み始めた年分に住宅ローン控除の適用を受け、その翌年又は翌々年中にその新居を売却して特例の適用を受ける場合を除きます。
◎国外所得の申告漏れ
居住者(非永住者以外の者)は、海外で得た所得(国外で支払われる預金等の利子や、国外にある不動産の貸付・譲渡による収益など)を合わせて申告する必要があります。
◎副収入の申告漏れ
・年末調整が済んでいる給与所得者であっても、*ネットオークションやフリーマーケットアプリなどを利用した衣服・雑貨・家電などの資産の売却による所得(生活に使用した資産の売却による所得は非課税)、*自家用車などの貸付けによる所得、*ホームページの作成やベビーシッターなどの役務の提供による所得、*仮想通貨の売却等による所得など、給与所得以外に20万円を超える所得を得ている場合には、確定申告が必要です。
・医療費控除などの適用のため確定申告をする場合は、20万円以下であっても申告が必要です。
◎一時所得の申告漏れ
生命保険会社などから満期金や一時金を受け取った場合は、その収入が一時所得として申告する必要がないか、生命保険会社などから送付された書類で確認します。
◎地震保険料控除の適用誤り
地震等損害保険契約以外の保険料については適用されませんが、平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約等については地震保険料控除の対象です。
◎配偶者控除及び配偶者特別控除の適用誤り
合計所得金額が1,000万円を超えている方は、配偶者控除及び配偶者特別控除を受けることができません。
◎寡婦控除、寡夫控除の適用漏れ
夫(妻)と離婚や死別した一定の方は「寡婦控除」、「寡夫控除」が受けられます。
◎上場株式等に係わる譲渡損失の繰越控除の適用
売却がなかった年も、譲渡損を翌年へ繰り越すための申告が必要です。
◎マイナンバーの記載等
・確定申告書には、申告する本人の「マイナンバーの記載」及び「本人確認害類の提示又は写しの添付」が必要です(e-Taxで送信する場合は本人確認書類の提示又は写しの提出は不要)。
・確定申告書に、配偶者・扶養親族・事業専従者について記載する場合には、マイナンバーの記載も必要です(本人確認書類の提示又は写しの添付は不要)。