中止等されたイベントの払戻しを放棄した場合の寄附金控除の適用
◆制度の概要
新型コロナウイルスの感染拡大防止のために中止等された一定の文化芸術・スポーツイベントについて、チケット等を購入した個人が払戻しを受けることを放棄し、当該イベントの主催者に寄附する場合、その放棄した払戻額について、認定NPO法人や公益社団法人等に対する寄附金と同様に、寄附金控除(2千円を差し引いた額を所得から控除)又は所得控除に代えて税額控除(2千円を差し引いた額の40%を所得税額から控除)を選択して適用できる制度が創設されました。
※令和2年2月1日から令和3年12月31日までの間に行われた払戻請求権の放棄が対象となります。また、控除の対象となる金額は年間合計で20万円が上限となります。
※本制度の対象となるもののうち、住民の福祉の増進に寄与するものとして都道府県・市区町村が条例で定めるものについては、個人住民税の税額控除の対象となります(最大10%)。
◆対象となるイベントについて
本制度における寄附金控除の対象となるイベントは、以下の要件を全て満たすものとして主催者が文化庁・スポーツ庁に申請し、指定を受けたイベントです。要件を満たすイベントが自動的に対象となるものではないため、文化庁・スポーツ庁のホームページ(申請中イベント、指定イベントの一覧を公表)、又は主催者のオフィシャルサイトで確認します。
【対象イベントの要件】
①文化芸術又はスポーツに関するものであること(※1)
②令和2年2月1日から令和3年1月31日までに開催された又は開催予定であったものであること
③不特定かつ多数の者を対象とするものであること(※2)
④日本国内で開催された又は開催する予定であったものであること(※3)
⑤新型コロナウイルス感染症及びそのまん延防止のための措置の影響により、現に中止・延期・規模縮小されたものであること
⑥中止等の場合には、払戻しを行う規約等がある又は現に払戻しを行っているものであること
※1例えば、・音楽コンサート、エンターテインメント、伝統芸能などの公演イベント、・映画、博物館、個展、テーマパークなどの観覧イベント、・プロスポーツの試合、マラソン大会などの参加型スポーツイベントなど、幅広く対象となります。
※2広く一般にチケット、入場券、イベント参加券等が販売されており、数名以上の参加が想定されていたものを指します。参加予定者が特定の者に限定される場合は、対象とはなりません。
※3仮想空間上でのみ開催するイベントについては、本制度の対象とはなりません。
◆既に払戻しを受けている場合などの取扱い
◎既に払戻しを受けた者からの遡及的な払戻請求権の放棄について
既に払戻請求権の行使をした者(自動払戻システムにより払戻しを受けた者を含む)であっても、令和3年1月29日までに払戻しを受けた金額を主催者に対して返還した場合には、払戻請求権を放棄したものとみなして、本制度の対象となります。
※令和2年10月31日までに払戻請求権の行使をしている場合に限ります。
◎指定を受けた日以前に行われた払戻請求権の放棄について
指定を受けた時点で、既に払戻期限が過ぎているイベントについても、①当該払戻期限到来前に、主催者に対する寄附の意思を表明し、払戻請求権を放棄した者、又は②当該払戻期限到来前に払戻し請求を行わなかった者であって、主催者への寄附の意思を有していた旨を事後的に宣誓害等により主催者に示した者については、本制度の対象となります。
◆本制度による寄附金控除を適用する場合
①主催者指定の方法にて、払戻しをしない旨を連絡します。
②主催者から「指定行事証明書(指定行事に該当することその他一定の事実を証する書類)」の写し、「払戻請求権放棄証明書(放棄をした入場料金等の払戻請求権の価額その他一定の事実を証する書類)」の交付を受けます。
③払戻しを放棄した翌年の確定申告において、主催者から交付を受けた証明書を確定申告書に添付して税務署に提出します。