教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置
◆教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の概要(※令和3年4月以後)
令和5年3月31日までの間に、親や祖父母等(受贈者の直系尊属)が30歳未満の子・孫に対して、教育資金を一括贈与する場合、受贈者ごとに1,500万円(学校等以外に支払われる金額は500万円が限度)まで贈与税を非課税とする措置です。贈与された資金を、金融機関において受贈者名義の口座等により管理し、この資金が教育費に使われることを金融機関が領収書等により確認・記録し、保存します。受贈者が30歳に達した場合などに、口座契約は終了となります。
※信託受益権等を取得した日の属する年の前年分の受贈者の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える場合には、この非課税制度の適用を受けることができません。
◎「教育資金」の範囲について
下記1及び2の合計で1,500万円までが非課税。
1.学校等に直接支払われる入学金、授業料その他の金銭(1,500万円枠)
学校等に対して支払われたことが、学校等からの領収書等により確認できる費用が対象であり、例えば、入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費、教育充実費、修学旅行・遠足費などが挙げられます(学校等が費用を徴収し、業者等に支払う場合も含む)。
2.学校等以外の者に教育に関する役務の提供等の対価として直接支払われる金銭(500万円枠)
塾や習い事など、学習活動、スポーツ、文化芸術に関する活動、その他教養の向上のための活動にかかる教育指導として社会通念上認められるものへの対価(月謝、謝礼、入会金など)として支払う費用や、施設使用料などです。
◎口座契約終了時の残額の取扱い
受贈者が30歳に達した場合などに教育資金口座に係る契約が終了となりますが、契約終了時に非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額があるときは、その残額は契約終了時に贈与があったこととされ、贈与税の課税対象となります。
◎契約期間中に贈与者が死亡した場合の取扱い
契約期間中に贈与者が死亡した場合には、原則として、その死亡日における非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額のうち、一定の計算をした金額(管理残額)を、贈与者から相続等により取得したこととされます。
※受贈者が贈与者の子以外(孫など)の者である場合には、相続税額の2割加算の適用があります。
◆結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の概要(※令和3年4月以後)
令和5年3月31日までの間に、親や祖父母等(受贈者の直系尊属)が、20歳以上50歳未満(令和4年4月1日以降は18歳以上50歳未満)の子・孫に結婚・子育て資金を一括して贈与する場合、受贈者ごとに1,000万円まで非課税(結婚関係の費用は300万円が限度)となる制度です。教育資金に係る措置と同様に、金融機関に受贈者名義の口座等を開設し、結婚・子育て資金を一括して拠出します。受贈者が50歳に達した場合などに、口座契約は終了となります。
※信託受益権等を取得した日の属する年の前年分の受贈者の所得税に係る合計所得金額が1,000万円を超える場合には、この非課税制度の適用を受けることができません。
◎「結婚・子育て資金」の範囲について
下記1及び2の合計で1,000万円までが非課税。
1.結婚に際して支払う金銭(300万円枠)
挙式や結婚披露宴の開催に要する挙式代、会場費、衣装代などや、結婚を機に新たに借りた物件の家賃、敷金、共益費など、新たな物件に転居するための引越費用などが対象。
2.妊娠、出産及び育児に要する金銭(1,000万円枠)
不妊治療や妊婦健診の費用、出産や産後ケア(出産後1年以内に支払われたもの)に要する費用、小学校就学前の子の医療費や、幼稚園、保育所、ベビーシッター等に支払う費用などが対象。
◎口座契約終了時の残額の取扱い
受贈者が50歳に達することなどにより、結婚・子育て口座に係る契約が終了した場合に、非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額があるときは、その残額は契約終了時に贈与があったこととされ、贈与税の課税対象となります。
◎契約期間中に贈与者が死亡した場合の取扱い
契約期間中に贈与者が死亡した場合には、死亡日における非課税拠出額から結婚・子育て資金支出額を控除した残額(管理残額)を、贈与者から相続等により取得したこととされます。
※受贈者が贈与者の子以外(孫など)の者である場合には、相続税額の2割加算の適用があります。