所得税の確定申告の際に多い誤りや注意点等
令和4年分の所得税の確定申告期間は、令和5年2月16日~3月15日です。
◆申告の際に多い誤りや注意点等
◎基礎控除の適用誤り
・合計所得金額が2,400万円以下の方は48万円の基礎控除が受けられますが、2,400万円超2,500万円未満の方は合計所得金額に応じた控除額になります。
・合計所得金額が2,500万円を超えている方は、基礎控除を受けることができません。
◎配偶者控除及び配偶者特別控除の適用誤り
・合計所得金額が1,000万円を超えている方は、配偶者控除等の適用は受けられません。
・配偶者控除を受ける方は、配偶者特別控除を併せて受けることはできません。
◎扶養控除の適用漏れ
・同居をしていない場合でも、常に生活費等を送っているなど生計が一であれば該当します。
◎ひとり親控除、寡婦控除の適用漏れ
・ひとり親控除は、婚姻歴や性別にかかわらず、現に婚姻をしていない者のうち合計所得金額が500万円以下で、生計を一にする子を有するなどの要件を満たす場合が対象となります。
・ひとり親に該当しない方で合計所得金額500万円以下の寡婦は、寡婦控除の対象となります。
◎地震保険料控除の適用漏れ
平成18年12月31日までに締結した一定の長期損害保険契約等に係る保険料については、地震保険料控除の対象となります。
◎医療費控除の計算誤り
・高額療養費、高額介護合算療養費、出産育児一時金や保険会社からの入院給付金などで補填される金額は、給付の目的となった医療費の金額を限度として支払った医療費の額から差し引きます。
・健康保険組合等が発行する医療費通知(医療費のお知らせなど)を添付した場合は、明細書の記入を省略できますが、医療費通知に記載されてない医療費(医療費通知への反映が間に合わない期間の医療費や自由診療の医療費など)がある場合は、領収書を基に明細書に記入します。
◎寄附金控除の適用漏れ
・ふるさと納税ワンストップ特例の適用に関する申請書を提出している方であっても、確定申告をする場合や寄附先が5団体を超える場合は、ワンストップ特例が適用されないため、令和4年中に支払った全てのふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含める必要があります。
◎住宅ローン控除の適用誤り
・住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税措置の適用を受けている場合には、住宅ローン控除額の計算において、その非課税措置を受けた金額を住宅の購入金額から差し引いて計算します。
・入居した年及びその年の前2年に譲渡所得の課税の特例(3,000万円の特別控除など)を適用している場合や、入居した年の翌年以後3年以内に入居した住宅及びその敷地以外の一定の資産の譲渡について譲渡所得の課税の特例(3,000万円の特別控除など)を適用している場合は、住宅ローン控除を受けることはできません。
◎副収入等の申告漏れ
・年末調整が済んでいる給与所得者でも、ネットオークションやフリマアプリなどを利用した個人取引(生活に使用した資産の売却による所得は非課税)や、ネット広告による収入、暗号資産の売却などで、給与所得以外の所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要です。
・年末調整を受けた給与所得以外の所得が20万円以下の場合は申告不要ですが、医療費控除などの適用のため確定申告をする場合は、20万円以下でも申告が必要です。
◎一時所得の申告漏れ
・生命保険会社などから満期金や一時金を受け取った場合は、その収入が一時所得として申告する必要がないか、生命保険会社などから送付された書類で確認します。
・競馬など公営競技の払戻金は課税対象となるため、高額な払戻金を受けた場合には申告が必要となることがあります。
◎国外所得の申告漏れ
・居住者(非永住者以外の者)は、海外で得た所得(国外で支払われる預金等の利子や、国外にある不動産の貸付・譲渡による収益など)を合わせて申告する必要があります。