中小企業経営塾 第66号
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■ 目次
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▼掲示板
▼タックスペイヤーの視点30 税理士・FP 榎本 恵一
▼超入門・ビジネス会計(16) 中小企業診断士 駒井 伸俊
▼世界経済に果たす日本の役割(2) MBA 長友 孝幸
▼FP診断 9 AFP 小林 義和
▼不思議なことって 落語家 三遊亭金時
▼編集後記 副編集長 森本 正博
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■ 掲示板
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歳時記
5月17日 世界電気通信の日(World Telecommunication Day)
5月18日 ことばの日
5月20日 世界計量記念日
5月24日 ゴルフ場記念日
5月28日 花火の日
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■ タックスペイヤーの視点30 税理士・FP 榎本 恵一
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皆さんこんにちは。初夏の気候となってきましたが、日によっては、気温の較
差や冷房の調節の関係で今一歩すっきりしない時期です。冷房と言えば、夏の
電力不足(東電の原発はいま一機しか稼働していません)が心配です。SARSに
続くわが国の景気低迷の一因にならなければと心配しています。
さて、前号で電子申告のスタートのことに関して考えてみましたが、今回はそ
の背景にある電子帳簿保存法についても焦点を当てたいと思います。(ちょっ
と難しくなりますが、一読してみて下さい)
近年、高度情報化社会の急速な進展や経済の効率性の観点などから、1998
年に紙媒体から電子帳簿保存制度の導入がなされた。電子帳簿保存制度に関し
ては、電子データの電磁記録の真実性、可視性、証拠能力、証明力が充足され
たシステムでなければならない。
電子申告制度においても同様なことが言える。例えば、真実性の確保では、(
1)電磁的記録の訂正・加除の履歴の確保、(2)各帳簿間での記録事項の相
互追跡可能性の確保、(3)電子計算機処理システムの開発関係書類等の備付
けであり、また可視性の確保では、(1)見読可能装置の備付け、(2)検索
機能の確保等である。このような点が不備か否かが電子帳簿保存法の保存等承
認の取消し及び青色申告の承認取消しの事由となり得ると考えられる。この電
子申告は、利便性の点では有効であるが、システムにおいても、様々な問題が
ある。
電子申告の実験の結果においても、データ処理・電子送達の対象が納税申告書、
法定添付資料などかなり広範囲に及んでいる。更に厄介な事に、第三者作成の
源泉徴収票や領収書等は原本を郵送する方針になっており、納税者の事務の負
担増や課税庁内部における電子データと原本郵送を併せて処理する為の内部コ
ストの問題が上げられる。
電子申告のデータについては、実地の税務調査が行われることにより証明され
る仕組みであり以前より採用されていた紙の申告書類の時と同様である。
また、電子データに対する課税処分のための税務調査については、電子帳簿保
存法で特別に規定するところではない。電子申告制度は、電子帳簿保存法がベ
ースになっているため新たに法律を作らなければ納税者をめぐるプライバシー
侵害の恐れが潜んでいるわけである。特に、納税者の関心が高い、税務調査は
特に入力・出力のデータ自体の真実性に関して行われることになり、また税務
調査における調査官による電子計算機の直接操作、電子データの複写の持ち帰
り、電子データのアウトプット費用等々についても、納税者の権利・利益保護
の視点から問題となると考えられる。
上記の納税者の権利・保護の観点から税法でどのように対応すべきかが問題で
ある。これらの本格的な導入予定時期である秋までに国は、内在する問題点の
検討を行い、タックスペイヤー(納税者)に対して情報を発信することを期待
したい。
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■ 超入門・ビジネス会計(15) 中小企業診断士 駒井 伸俊
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財務諸表を分析する(10)
-生産性の分析(資本編)-
前号では、ヒト(労働)をどの程度有効に活用して、価値を生み出しているか
を示す指標として、労働生産性や労働分配率といった指標を見ました。今号も
ひきつづき生産性のお話ですが、その中でも企業が投下した資本の生産性につ
いて考えてみましょう。
資本の生産性を表す代表的な指標の1つが総資本投資効率(総資本生産性とも
いいます)です。総資本投資効率とは、企業が投下した資本全体でどの程度効
果的に価値を生み出しているかを示します。
総資本投資効率=付加価値÷総資本 ×100
仮に、総資本投資効率が低いとすると、その原因はなんでしょうか?その原因
を追究するために、総資本投資効率を次のように分解して考えます。
総資本投資効率 = 付加価値率 × 総資本回転率
(付加価値/総資本) = (付加価値/売上高) × (売上高/総資本)
総資本投資効率が低いということは、付加価値率が低いか(売上に占める付加
価値の割合が低い⇒売っても売っても価値を創出していない。くたびれ損状態)
総資本回転率が低いか(たくさんの資本を投下しているにもかかわらず、それ
に見合った価値を創出していない⇒図体ばかり大きくて動きが鈍い。脂肪でブ
ヨブヨ状態)、それとも両方が低いということです。皆さんの会社はいかがで
しょうか?
さらに、投下した資本のうち企業の設備投資に焦点をあてて、その有効性を判
断するための指標が設備投資効率(設備生産性ともいいます)です。設備投資
効率は次の算式で表されます。
設備投資効率 = 付加価値 × 有形固定資産 × 100
なお、有形固定資産の値からは、“建設仮勘定”という項目は除きます。“建
設仮勘定”とは、現在建設中の建物等の費用です。その理由は、今、保有して
いる有形固定資産(設備等)でどのぐらいの価値を生み出したかを見るためで
す。当然、設備投資効率も、業種・業態によって大きく異なります。そのため、
皆さんの属する業種・業態の中での比較や自社の数期間の比較によって、自社
の傾向を知ることが重要です。
※(期首総資本+期末総資本)÷2を使うこともあります。
※62号(財務諸表を分析する(7) -効率性の分析-)を参照ください。
※(期首有形固定資産+期末有形固定資産)÷2を使う場合もあります。
中小企業診断士 駒井伸俊プロフィール
https://www.ecg.co.jp/supporter/komai/index.htm?mm=66
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■ 世界経済に果たす日本の役割(2) MBA 長友 孝幸
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現代の社会には二つの超大国が存在しています。一つはご存知の通り、政治や
経済の世界的なリーダーであり、先のイラク戦争で勝利をあげたブッシュ大統
領が率いるアメリカ、もう一つは計り知れない人口から潜在的な力から、今後
の経済成長が期待されている胡錦涛が率いる中国があります。
この二つの超大国は現在、いずれも迅速に解決しなければならない問題を抱え
ている状況です。アメリカはイラク攻撃によってイラク戦争では勝利したもの
の、今後行われる戦後の復興対策と対テロリストの戦争に備え、その行方によ
っては今後の社会情勢に不安が残りますが、バグダッドの陥落をもって終息に
向かったイラク戦争に一息ついているところでしょう。
しかし、胡錦涛が率いる中国が抱えている目に見えない病原菌SARSとの戦
いは、未だに衰える兆しがなく、その行方によっては日本経済だけでなく世界
経済にも深刻な状況を与える可能性が予測されます。中国やアジア経済圏との
SARS戦争は、北京や台湾へのSARS感染拡大で、壮絶な戦いが始まった
状況です。
アジア開発銀行(ADB、本部フィリピン マニラ)は9日、SARSの影響
が今年の第3四半期(7~9月)まで長引いた場合、今年の国内総生産(GD
P)成長率は東アジア(日本、北朝鮮を除く)で4.7%、東南アジアで2.
5%に鈍化すると示し、被害額は計284億ドル(約3兆3200億円)にな
るとの見通しを示しています。
ADBが4月28日に発表した今年の経済成長見通しでは、肺炎が2カ月以内
に鎮静するとの前提で東アジアを5.6%、東南アジアを4.0%と予測して
いましたが、その影響が長期化する可能性があるため、ADBは今年の第2四
半期(4~6月)末まで及んだ場合と、第3四半期まで及んだ場合の二つのシ
ナリオを想定して試算しています。
第2四半期末まで及んだ場合の成長率は東アジア5.3%、東南アジア3.4
%としている。さらに第3四半期にまで長期化すれば、香港はマイナス成長に
転落し、中国経済は7.0%に鈍化するとアジア経済圏全体の経済成長率は低
く予測されます。このようなSARSの蔓延は世界的に進んだグローバル化が
招いたマイナス要因と捉えることができますが、安価な労働力を求めてアジア
圏内や中国に進出した日本メーカー各社にとっても、SARS拡大は想定外の
リスク要因になっています。
過去のアジア圏内の進出に代表されるようなコストダウンを前提とした日本企
業の競争優位は世界経済にとっても、アジア経済にとっても重要な役割を果た
してきた実績があります。政治的にアメリカのような強引なリーダーシップを
日本がアジア経済圏でとれるわけがありませんが、アジア経済の安定化を図る
ために、画期的な製品生産力をもった日本の役割は重要です。特定地域に特化
しないリスク分散した工業製品の安定的生産の実現、アジア経済のリーダーと
しての日本の方向付けが、今、問われるときかもしれません。
MBA 長友 孝幸プロフィール
https://www.ecg.co.jp/supporter/nagatomo/index.htm?mm=66
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■ FP診断 9 AFP 小林義和
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FP家計(9)
住宅ローンのことについてもう少し触れてみたいと思います。実際問題として
住宅取得の際には住宅ローンを組むのが一般的です。欲しい物件があったとし
ても、実際に買ってローンを返済していけるのかは重要な問題です。住宅ロー
ンはほとんどの場合20年以上の長期にわたります。今から返済完了までの毎
月の返済計画に無理が無いようにしていく必要があります。しかし、まわりの
方々にお話を伺うと、以前と収入状況が変わったので返済が厳しい、急に返済
金額があがって困っているなどの様々な問題が発生してきているようです。例
えどんなに厳しく見積もったとしても、数年後の経済環境までは予測つきませ
ん。必ずどこかで見直しをするときが来るのです。
そこで、一つご提案ですが、住宅ローンを借り入れる前に、住宅ローン返済の
練習を行ってみることをお勧めします。くどいようですが住宅ローンの返済は、
長期にわたるため毎月の返済に無理があってはいけません。また、急に現在の
生活レベルを落とすことも長期的には難しいと思われます。そこで、現在の生
活レベルを落とさずにいくら返済に回すことができるかを考える必要がありま
す。毎月の収入のうちから一定の金額を財形貯蓄や定期預貯金などに回して6
か月から1年程度住宅ローンの返済をしているのと同じような生活してみるこ
とです。その結果、無理なく生活できるのであれば、その金額が返済に回せる
金額と考えてよいでしょう。併せて自己資金が貯まり、頭金に使えるという効
果もありますので是非検討いただきたく思います。
返済できる金額を把握したら、いくらの住宅ローンを借り入れることができる
か、そして手持金と併せていくらの予算額となるかが決まります。その予算額
の範囲内で物件の価額や諸費用の額を考える必要があります。税金や手数料は
見落としやすいのでご注意ください。
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│平成14年11月12日より、FP相談サービスを開始しました。 │
│あなたの税金、住宅ローン、年金など個人の暮らしに関わる相談を │
│メールにて受け付けています。毎週火曜日に相談メールを確認し、 │
│ご回答のメールを発信させていただきます。 │
│どしどし、ご相談ください。 │
│ │
│注)資料不足などで的確な判断が出来ない場合などでお答え出来ない │
│場合があります。また、詳細についてお会いしてお伺いする場合も │
│あります。このサービスは電話相談は行っていません。あらかじめ │
│ご了承下さい。 │
│ │
│受付メールアドレス:info@ecg.co.jp │
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■ 不思議なことって 落語家 三遊亭金時
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かれこれ世田谷に住むようになって15年になる。何も高級住宅街に住みたい、
という憧れを持っていた訳ではない。
今のカミさんと所帯を持つ時、新居はどこにしようか、というので方位学の先
生に聞いてみた。先生曰く(人間も植物も同じで、成長にあった場所で生活し
ないと枯れてしまうもんなんだよ)
見てもらったところ南西が吉方でという。さっそく地図を買ってきて南西の方
角に線を引いてみるとちょうど下北沢だった、という訳。
しかし当時はバブルの影響で家賃はバカ高く、二ッ目になったばかりの身には
とても苦しかった。さあ、こんなに高い家賃を払うくらいなら遠くても、小さ
くても買おう!ということになってまた相談。
今度は西北西がいい、という。また地図を買って線を引く。なかなかいい物件
が見つからなかったが先生曰く(必ず自分を待っている土地があるから焦りは
禁物!)そのうち人を介して紹介してもらったのがいまの住まい。後から考え
てみるとちょうど西北西だった。不思議なことはあるもんだ。でも、あたしと
しては本当は浅草に住みたいのだ。何故かはまた次回。to be continue・・・
金時ホームページはこちら
http://www.club-ec.com/kintoki/index.htm?mm=66
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■ 編集後記 副編集長 森本 正博
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いつも当メールマガジンをご愛読頂き誠にありがとうございます。
さて、暑かったり、涼しかったりの日がありますが皆さん、体調など崩してい
ませんか?体調管理も重要な仕事のうちです。自分の体は、自分しかわかりま
せんので、休む時は、休んで重要な仕事に穴を空けないようにしていきましょ
う!
さて、今アジアで猛威を振るっている新型肺炎拡大による世界の観光・旅行業
で国際労働機関(ILO)の発表によるとアジアを中心に約517万人が失業
するとの推計を出しました。これに、テロの脅威も加わり、旅行業界にとって
は、暗い話ばかりです。日本政府も、対策として、旅行業で昨年より売上が15
%以上落ちている会社に、従業員の給与の半額を助成する策を打出しました。
当面6ヶ月を限度とするようです。雇用を守る手段でしょうが、はたしてこれ
でどれだけの会社が救われるでしょうか?
また、旅行業界に限らず、デフレ経済が続いている現在、どの会社も変革を迫
られているのではないでしょうか?当面は、安売りに走るのか、付加価値で勝
負するのかに絞られるのでしょうが、私は、後者の方が将来を考えた場合絶対
に優位に立てるのだと思います。
皆様も、今一度ご自分の会社の強みを確認してみてはいかがでしょうか?
私どもでは、決算診断サービスを行っております。見直しの一貫として是非、
ご活用下さい。↓ ↓ ↓
http://www.kessan21.com:8080/kessan21/Welcome.jsp?id=whandsbpks
ECグループホームページ↓
https://www.ecg.co.jp/?mm=66
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