知って得する経営塾 第103号
[目次]
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タックスペイヤーの視点50 税理士・FP 榎本 恵一
年金制度改革(5) 社会保険労務士 石井 和歌子
編集後記 副編集長 森本正博
[掲示板]
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歳時記
5月12日 国際看護婦の日
5月15日 沖縄本土復帰記念日,沖縄復帰記念日
5月21日 小学校開校の日
5月23日 キスの日
[タックスペイヤーの視点50] 税理士・FP 榎本 恵一
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いやー出るは、出るは。年金未納・未加入議員。与党、野党を問わず、毎日私
は××年未納(未加入)でしたの記事、これではもう年金改正案を語る立場で
はないような気がします。いっそのこと、年金再計算の時期ですが、超法規的
に、1?2年位ジャンプして、与野党の法案提出者以外の全国会(地方)議員、
今の年金不信を払拭する意味でも、【自己責任】で再点検して本当に直ぐに直
さなければならない問題と、財政の件(破綻寸前と言われている年金財源)そ
のものを考え直す機会が必要じゃないのでしょうか。そこで、今号では今後の
税制改正予定から見る、世の中の動きを考えてみたいと思います。
1.2004年1月1日
今年からは、土地、建物を譲渡し、譲渡損が出た場合、損益通算(他の所得と
合算してマイナスを吸収してもらえる制度)が認められなくなりました。
2.20%課税
今年の改正から、株、配当などと同じように、土地、建物の譲渡をした場合(
長期譲渡:5年超)には、税率が20%と同じになりました。(以前は、26
%)
3.老年者控除の廃止
年齢65歳以上で、合計所得金額が1000万円以下の方に認められてきた老
年者控除(50万円)が来年の申告(今年)から廃止になります。
4.公的年金等控除の縮小
公的年金を現在もらっていらっしゃる方で、65歳以上の方に認められてきた
控除の上積みも同時に廃止になりました。
以上が、今年度の改正の一部ですが、このことから推測しまして、私は今後、
以下の3点の導入が考えられます。
1.金融課税一体化
利子、配当、株式などを一体として課税すること。即ち、もし、株式の譲渡を
して損失が出た場合、利子や配当の益と通算していこうとする考え方である。
2.その延長上に2元的所得税
金融所得と勤労所得に分けて課税する、将来の所得税制の考え方が存在する。
3.その実行には、納税者番号制度
年金の制度改革も含め、利子や配当、更には株式までの一体を納税者の番号に
より管理せざるを得ないことです。
しかるに、今後、一番の目玉は、今までの制度から【税金】そのものの考え方
が一部【社会保障】と一体となって変化していかざるを得ないと思います。一
言でいうのは簡単ですが相当の混乱が予想されますし、今後どのような考え方
で世の中とお付き合いしたらよいか、以前お話しました商法の改正と供にこの
メルマガでは、今後、将来の展望を含めて、タックスペイヤーのコラムをお届
けしていきたいと思っております。
*皆様の、お陰をもちまして、今年の1月に上梓いたしました『自己責任』時
代のサバイバルブックは、改訂版重版を行うことになりました。更に、バージ
ョンアップしまして、6月初旬には出来上がりますので、ご期待下さい。
(それにしても、約1年前に、この本の出版の中身である自己責任論を決めた
わけですが、ここにきて、イラクの自己責任論や年金の諸問題がこんな形で世
の中を騒がせるかとは考えもしませんでした。)
大好評「自己責任時代のサバイバルブック」
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[年金制度改革(5)] 社会保険労務士 石井 和歌子
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今年も「こどもの日」を前に総務省から「こどもの数(15歳未満の推計人口)」
と「総人口中の割合」の推移が発表されました。「こどもの数」は、昨年より
20万人少ない1,781万人で、23年連続減少し、総人口に占める割合も
0.2%減の13.9%で、こちらは30年連続で前年を下回っています。総
人口に占める割合は、アメリカ(21.7%)や韓国(20.6%)、イタリ
ア(14.3%)など諸外国と比べても低い水準です。この傾向はいつまで続
くのでしょう。世代間扶養の現年金制度においては、背筋が寒くなってしまい
ます。しかし、もし私自身が若い世代であったなら、「こどもを産む」かどう
かの選択に自信はありません。理由は色々考えられますが、仕事の面だけを考
えても、子育てを一段落してからの再就職の難しさや、労働条件の悪さには絶
望感すら感じます。ちょうど仕事がおもしろくなって来る時期と出産の適齢期
が重なるだけに、その決断は難しいものがあります。
今回の年金制度改正の1つに「次世代育成支援の拡充」として、「育児休業の
保険料免除措置を1年から3年に拡充する。」があります。
?現在?
女性労働者が、子が1歳に達するまで休業したとき
出産日 育児休業開始 子が1歳に達する日の前日
|← →|← →|
----------------------------------------------------------------------
| 産後休業 | 保険料免除期間 |
----------------------------------------------------------------------
(8週間)
現在は、産後休業(出産日の翌日から56日間)の翌日から、子が1歳に達す
る日の前日まで、厚生年金保険料は免除されています。これを今回の改正では
3歳になるまで延長します。
3歳まで延長されることは、喜ばしいことですが、問題は、現実的に3歳にな
るまで育児休業が取得できるかどうかでしょう。育児休業中の職場に代替要員
が充てられるか、もしくは回りの労働者で育児休業中の労働者分の仕事を消化
することになりますし、果たして3年の育児休業期間を経て、職場復帰をして
も戻る現場が確保されているでしょうか。どうも、取り敢えず改正に盛り込ん
だ「絵に描いた餅」のような気がします。
ドイツも深刻な少子化に悩む国の1つですが、1人の女性が生涯に産むこども
の数(合計特殊出生率)は2000年で、1.34。日本の1.32(200
2年)と並ぶ低水準です。そのドイツで「こども1人につき、年金保険料から
月50ユーロ(約6,500円)を軽減し、給付には130ユーロ(約17,
000円)上乗せする」年金制度改革案が提案された。しかし、この提案には
強い反発が巻き起こったようですが、現在のドイツの子育て支援は、日本より
遙かに手厚い制度です。児童手当は毎月154ユーロ(約2万円)で、4人目
以降は179ユーロ(約23,000円)。出産から2年間は最大で月307
ユーロ(約4万円)の育児手当があります。にもかかわらず、一向に出生率は
回復する兆しを見せていないようです。
ドイツも日本も、少子化と密接に絡む年金制度において、出産や子育て意欲を
高める仕組み作りが必要なようです。今回の年金制度改革は、国会議員の国民
年金未納ばかり取り沙汰されて、肝心な部分の議論がなされないままです。国
民の年金に対する関心が高まったことは、大変喜ばしいことですが、空しい気
持ちにすらなってしまいます。
次回は、予定される年金改正のスケジュールにそって「遺族年金」のお話をし
ましょう。
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[編集後記] 副編集長 森本正博
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いつも、当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。
今年のGWは、「高・遠・長」だったそうですが、皆さんは、いかがでしたか
?私は、相変わらず「安・近・短」でした。
さて、今ニュースを見るとイラク問題と並んで大きく取り上げられているのが
「年金問題」です。政治家の皆さんも、未納期間があったのなかったのと、本
来業務ではない論議をしていますが、政治家自らが、制度の問題などと言って
しまっては、どうかと思います。それを言っちゃぁお終いですよ。と思ってい
るのは、私だけでしょうか?どちらにしても、国民が、年金に対して不信感を
持ったことは、間違いないようです。国も今まで年金未納問題をあまり大きく
問題にしていなかったのですが、もしかしたら、政治家の皆さんに未納者がい
たからなのでは・・・とにかく、国は、年金については分かりにくいとか言っ
ているよりも、社会保障制度そのものの役割等を国民に理解してもらえるよう
に説明し、その後は、今流行の「自己責任」として欲しいものです。
次回は、5月24日(月)です。お楽しみに!
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