知って得する経営塾 第121号
[目次]
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タックスペイヤーの視点58 税理士・FP 榎本 恵一
ワタシとアナタ(3)?生き残りをかけて? 中小企業診断士 駒井 伸俊
芸術祭新人賞受賞報告 落語家 三遊亭 金時
編集後記 副編集長 秋葉 和彦
[掲示板]
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歳時記
1月31日 生命保険の日
2月 2日 国際航空業務再開の日
2月 7日 長野の日、オリンピックメモリアルデー
2月13日 苗字制定記念日
[タックスペイヤーの視点58] 税理士・FP 榎本 恵一
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皆さん、来月から確定申告の提出が開始します。そこで、今回のメルマガの私
のコーナーでは一寸、意見(今回は、堅い話)を書いてみたいと思います。
今、会社に就職した学生が直ぐに、やめてしまう時代が来ています。
私は、多様性の時代に突入している現在においてはもうやむをえないのではな
いかと思っており、今月、上梓しました、【知って得する年金・税金・雇用・
健康保険の基礎知識】(三和書籍)は年代別に個人が知っておくと良いと思わ
れる知識をより多く書きました。
会社側の方からは、うちは制度がまだ揃ってないからこのような本は不味いな
とご意見がありましたが、インターネットが発達した現在、個人は、色々なも
のを知識として取り入れられるのであり、この本の特徴である、税金、年金分
野のみならず、裾野を広げた本がなかったことに価値があると著者は考えてい
ます。
先日、わがグループの経営方針発表会の特別講演されました、藤原直哉先生も
インターネット、携帯電話がもたらすものの一つとして「横社会の確立」とい
うお話がありました(即ち、今の時代、会社を辞めても、携帯電話一つでフリ
ーになったから宜しくね、と横の人々に話しが出来る社会の確立)。
これに対して縦社会というのは、会社の中での出世や役割の序列を意味するも
のと考えます。
フリーター人口の増加が示すように、今後は多様な生き方のスタイルが容認さ
れる時代に突入しているのです。
このような社会問題の発生から、給与所得者間の税金の負担が軽減されるもの
など、個人の事情により(例えば正社員と非正社員との間で源泉徴収の計算方
法や取られ方など)不公平感が生じてきています。
このような中、一部に政府はプライマリーバランスの観点から給与所得控除圧
縮論を浮上させてきています。
政府税制調査会により、昭和46年及び平成12年の2度にわたり、家計調査
を基に、給与所得控除の実額控除について検討されています。
これによると、昭和46年の調査では、実額による控除は当時の給与所得控除
の水準を下回る結果となり、また平成12年における調査においても、給与所
得者の必要経費を試算したところ年間収入の約1割程度であり、したがって、
給与所得控除の水準が必要経費を下回ることはなかったとしています。
この結果、給与所得控除(約年収の3割)は過大であるとの結論に至っていま
す。
今後、これを根拠として給与所得控除額の圧縮・縮小を行うことがあるとした
ら、民意の賛同は得られないでしょう。
そこで、この問題に先駆けて、事実上機能していない特定支出控除の再検討を
行い、現在認められている5項目以外にも、経済活性化の観点からも多様化の
時代に対応するためにも拡大・拡充すべきではないでしょうか。
※給与所得控除・特定支出控除について詳しくはメルマガ第71号を参照して
下さい
⇒【https://www.ecg.co.jp/mm/000175.php?mm=121】
このようにフリーター人口の増加は、結果として今後、年末調整機能が果たせ
なくなると考えます。
そこで、給与所得者に対し選択性の確定申告を認めるべきであります。具体的
には、以前から論議になっている課税当局の事務負担軽減の観点に対し、電子
申告活用者には、電子申告控除額等の特典を与え、概算控除選択者との均衡が
取れる状態にすべきではないでしょうか。
※電子申告について詳しくはメルマガ第64号を参照して下さい
⇒【https://www.ecg.co.jp/mm/000168.php?mm=121】
このことにより、本来の姿である、申告納税制度の観点からも自ら計算、申告
を行えるようにすべきであり、その事を通じて、税のオンブズマンとして、国
をはじめ、各地方自治体などの監視機能も果たす事ができ、税に関心を持てる
対応ができる社会の形成が可能になるはずです。
最後に、わが国のプライマリーバランスの観点から考えた場合に今後なるべく
優遇分離課税されているものに関しては、将来の生活の安定上(歳入問題)、
課税の強化(総合課税統合も含む)もやむを得ないと思われます。
しかしその一方で、課税当局も、十分な議論と時間を掛けて納税者に対し現状
の説明責任と、今後の個人のライフプラン形成上のタックスペイヤー教育拡充
の場の提供や担税力の弱い弱者を社会がどのように救済できるかが問題になる
と思います。
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[ワタシとアナタ(3)?生き残りをかけて?] 中小企業診断士 駒井伸俊
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久方ぶりの「ガウゼの差異化による生存の法則」です。
「ガウゼの差異化による生存の法則」によれば、お互いに違うものは生き残り、
お互いに同じものは死んでしまう。つまり、お互いに差を作り出すことが生存
のための条件でした。
ビジネスに置き換えれば、競合との差が生き残りの必須条件です。経営戦略と
はまさに他社との差別化です。
他社との差別化(ないし独自化)を図るには、まずは、なんとしても、顧客が
重要とする1つの要素でトップに立てるように、経営資源を集中させていく努
力を懸命にしなくてはなりません。
なぜなら、ガウゼの微生物の実験で証明されたように、ある市場で、顧客が重
要とする1つの要素(例えば、価格)で他社に比べて優位に立てないならば、
顧客からは必要とされなくなり、いずれ撤退の憂き目を見ることになる可能性
が強いということです。
「優位に立つ」にはどんな方法が考えられるでしょうか?
1つは、価格を安くすることが考えられます。
しかし、現在のように多くの商品の価格が下がっていく中、相対的に経営資源
の乏しい中小企業が継続的な価格競争の渦に中に入って、勝ち残っていくには
かなりの工夫と体力が必要です。
もう1つは、価格以外の要素での差別化でしょう。
差別化といってもいろいろなことが考えられます。皆様のビジネスで考えると、
どのビジネスプロセス(仕事の流れ)で、差別化が図られているでしょうか?
購買→物流→生産→物流→販売→アフターフォロー、そして、それらを支える
研究開発、企画、その他管理全般のどの部分で差別化が図られているのでしょ
うか?それを顧客の視点に立って考えることが重要です。
例えば、アフターフォローの充実を考えて見ましょう。
皆様の会社では、どのようなアフターフォローを展開していますか?
それは、顧客にとって何らかの価値を提供していますか?
また、継続的になされていますか?
そして、アフターフォローを行う仕組みがちゃんとできていますか?
場当たり的で、属人的になっていませんか?
ぜひ、一度、基本に立ち返って、それぞれのプロセスを振り返り、考える機会
を設けてみてください。
●中小企業診断士 駒井伸俊プロフィール
【https://www.ecg.co.jp/supporter/komai/index.htm?mm=121】
[芸術祭新人賞受賞報告] 落語家 三遊亭 金時
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「金時さん、おめでとうございます!芸術祭新人賞が決まりました!」
文化庁から電話が掛かってきた時、イタ電かと思った。
「どちら様ですか?」
「文化庁芸術祭事務局のものです。」
「またまたぁ…。誰?」
「ですから芸術祭事務局のものです。1月19日、大阪で表彰式をやりますの
で来て下さい」
あくる日、受賞証書が届いてやっと本当だと認識した次第で…。芸術祭に参加
したこともすっかり忘れてしまっていたし、実は少し間違えたから賞に入ると
は夢にも思わなかった。しかし噺家になって賞らしい賞は初めてだったし、し
かも芸術祭賞だ。
「おまえのどこが新人なんだ?」と聞かれるが私の場合、芸術祭に参加するの
はまだ2回目、ということらしい。
受賞理由を見てもらえばわかるが「これに満足して小じんまり固まってくれる
な」という審査員の方々の温かい心が伝わってくる。まだまだ上があるもんね。
ちなみに受賞理由はこちら↓
【http://www.bunka.go.jp/1bungei/59_geijyutusai_engei.html】
私は親父が金馬だから‘落語家、三遊亭金時’より‘お笑い三人組の小金馬の
倅’という方に存在価値が認められている傾向が強かった。それは百も承知で
噺家になったもののやはり辛いし苦しかった。
真打に昇進する「金馬さんの倅だからね」
寄席でトリをとる「お父っつあんの力だね」
テレビに出る「親父が偉いと得だね」そんな声が絶えず陰から聞こえてきたし
「金馬の倅はイマイチだね」とか「お父さんは有名だね。」そんな重圧に耐え
かねて4?5年前には真剣に廃業を考えた。
だから今回の受賞は素直にうれしい!
私はいつも高座へ上がる時、自分に誓うのは「頭のてっぺんから足のつま先ま
で使って落語をやろう!」私の落語はガチンコ落語。けたぐりを見せたり突然
鳩が飛び出すような落語が喜ばれる昨今だが私はガップリ四つに組んだ真っ向
落語で行きたいと思ってます。不器用だからね。
表彰式、大阪まで電車賃出ないんだぜ!手銭だって。
天下の文化庁がそりゃないぜ!
またトロフィーがでかいし重いし。宅急便で送って後で見たらウチの近所のト
ロフィー屋でやんの。事前に言ってくれれば自転車で取りに行ったのに…。
2月25日に日頃の感謝をこめて祝いの会をやります。これを見て下さった方、
是非来て下さい。詳しくはECGまで。
皆様に改めて御礼申し上げます有り難うございました!
●三遊亭金時師匠ホームページはこちら
【http://www.club-ec.com/kintoki/index.html】
金時師匠をお祝いする会の詳細もこちらのホームページをご覧下さい
[編集後記] 副編集長 秋葉 和彦
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いつも当メールマガジンをご愛読いただき誠にありがとうございます。
今回はボリュームもあり、読み応えもあったのではないでしょうか。
暮れもそうでしたが1月は日数も少なく、皆さんも新年早々お忙しかったので
はないでしょうか。当事務所も経営方針発表会、法定調書の作成、償却資産の
申告とイベントが多く大変でした。
さて、2月といえば所得税の確定申告ですね。個人事業を営んでおられる方、
2ヶ所以上から給与を受けている方、家賃収入や年金収入のある方、そして給
与が2,000万円を超える方(とっても羨ましいです…)等が対象になって
きます。
確定申告をされる方は様々な控除が受けられます(具体的な控除については当
事務所の会計用語集【https://www.ecg.co.jp/glossary/index.html?mm=121】
にて近々紹介する予定です)。適用できるものはしなきゃ損ですよ。
また確定申告に向けて忙しくなってきますが、頑張ります。
次回は2月14日(月)に配信予定です。お楽しみに!
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