第328号『年金制度の概要』
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この本執筆したのは弊社代表の税理士、榎本恵一と社会保険労務士の吉田幸司、渡辺峰男と弁護士の谷原誠です。労使間のトラブルは、トラブルが起こってからよりも起こる前の方が重要です。起こる前なら回避策や防止策が効果を発揮しますが、起こった後ではその効果は限定的です。平穏無事な会社が一夜にしてトラブルの渦中に巻き込まれるということも実際にあるのです。その意味では、平穏無事な会社ほどこの本を読む価値があると言えるでしょう。労使トラブルから会社を守るための必読の書!!
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年金制度の概要 社会保険労務士・キャリアカウンセラー 吉田 幸司
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最近、社会保障と税の一体改革という名目で消費税の増税や最低保障年金が
話題になることが多くなりました。
そのこと自体は悪い事ではないですが、現在の基礎年金制度のどこが問題なの
かをわからずに賛成とか反対とか感覚で議論するのは賢いことではありません。
複雑でわかりにくいと言われる年金制度ですが、現在の姿を知っておくことは
議論をする上で非常に重要です。そこで今回は基礎年金制度の概要を見ていく
ことにします。
まず、基礎年金制度は20歳から60歳未満の日本に住む全ての人が対象です。
国籍や職業や収入は関係ありません。20歳になれば全ての人が自動的に国民
年金の被保険者となります。
この時点で、既に誤解をしている人が多くいるのです。国民年金に加入しない
という選択は制度上ありません。サラリーマンは厚生年金に加入しているから
国民年金には入っていないと思うのは間違いなのです。厚生年金に加入してい
る人も国民年金に入っているのです。
ただ、直接年金保険料を支払っていないだけのことです。サラリーマンや公務
員は厚生年金や共済年金に加入しているのでそこから国民年金の保険料も自動
的に支払われています。
しかし、厚生年金や共済年金に加入していない人は自分で国民年金の保険料を
払う必要があります。とは言っても、収入の少ない人は保険料を払いたくても
お金がないので払えません。
そこで、保険料の免除制度があります。よく使われているのが学生の納付特例
制度でしょうか。学生は収入が少ないので毎月14,980円の保険料を払う
ことができません。
なので、学生の間は保険料を払わなくてもよいことにするという制度を作った
のです。収入の少ない人や障害者等は保険料を免除する制度があり、必要に応
じて届出をすると保険料を払わなくてもよい事になっています。
無論、保険料を払っていない期間は年金を受けとるときにその分年金額を減額
されるのですが、収入が増えて保険料が払えるようになったときに過去に遡っ
て払えなかった保険料を払える制度もあります。
ここでも誤解をしている人がいます。毎月発表される国民年金の未納率です。
この未納率と言うのは、自分で保険料を払う必要のなる人のうち、保険料の
免除を受けている人を除いた、保険料が払えるはずなのに払っていない人の
数で、現在はだいたい40%の人が未納となっています。
しかし、厚生年金や共済年金に加入している人は自動的に国民年金の保険料を
払っていますから、世の中の40%の人が国民年金の保険料を払っていないと
いうわけではありません。
資料によると、国民年金の被保険者が約6,800万人おり、そのうち自分で
国民年金の保険料を支払うことができる人は1,300万人でその内の40%
が保険料を納めていないとなっています。単純に計算すると、全体の7.6%
で未納が発生していることになります。
さて、20歳から60歳になるまで40年間にわたって保険料を納め続け、
65歳になると月額65,541円(平成24年度)の年金が生涯にわたって
受け取れるのですが、保険料を払っていなかった期間があるとその期間に応じ
て年金の額は減っていきます。
最低25年分保険料を納めると年金は受け取れるのですが、25年しか保険料
を支払わなかったとすると月額40,963円になります。この25年とか
40年という期間ですが、この中には厚生年金や共済年金に加入していた期間
も含みますので、サラリーマンや公務員の人が25年以上務めると年金を受け
取れることになります。
今国会が問題にしようとしているのは、将来年金を受けとる人が増え過ぎて
年金の財源が不足するのではないかということです。現在の仕組は、現役世代
が支払った年金保険料を今の年金支払いに回すということになっています。
もちろん貯金も相当額していて、平成21年度末で厚生年金は約140兆円
国民年金は約10兆円の積立金をもっています。このあたりの詳しい資料は、
厚生労働省のホームページに掲載されているので興味のある方は読んでみて
ください。
あと3年もすれば年金財源はなくなって、いまいくら保険料を払っても無駄
などと考えるのはいささか短絡的な発想です。
このようなことを知った上で社会保険と税の一体改革を考えていただくと
今何が必要なのかが考えられるのではないでしょうか。
◆◇◆ 人事戦略研究所 吉田 幸司 プロフィール ◆◇◆
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編集後記 副編集長 高塩 吉明
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当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。
2月も後半に差し掛かりましたが、まだまだ寒い日が続きます。今年は特に
日本海側を中心に積雪による被害が大きいように感じます。
この積雪の影響で、農林水産関連の被害が日本全国に拡がっています。
世界を見渡すと、欧州では世界遺産にも被害を与え、温暖な気候のイメージ
のあるインドでさえも積雪を記録したようです。
全世界に衝撃を与えた東日本大震災から、間もなく1年が経過しようとして
います。それ以降、地球規模で大きく環境が変化しているのかもしれません。
天災のよるものであるが故、その対応策は限られた事しかできないかもしれ
ません。しかし、日本の諺には、『備えあれば憂いなし』という言葉があり
ます。
先が見えないこの時代、あらゆる可能性を想定し、その準備を怠らないこと、
今回の積雪がそれを示しているのではないでしょうか。
次号、第329号は2月27日(月)に配信予定です。どうぞお楽しみに!
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