第388号『成功者のエピソードには嘘が多い?』
★☆★ 既刊情報 ★☆★
この本執筆したのは弊社代表の税理士、榎本恵一と社会保険労務士の吉田幸司、渡辺峰男と弁護士の谷原誠です。労使間のトラブルは、トラブルが起こってからよりも起こる前の方が重要です。起こる前なら回避策や防止策が効果を発揮しますが、起こった後ではその効果は限定的です。平穏無事な会社が一夜にしてトラブルの渦中に巻き込まれるということも実際にあるのです。その意味では、平穏無事な会社ほどこの本を読む価値があると言えるでしょう。労使トラブルから会社を守るための必読の書!!
★☆★ 無料立ち読みコーナー ★☆★
今回、万来舎様のご協力により無料立ち読みコーナーへ新たに本書の一
部を公開致しました。大好評発売中の本書、労務管理の決定版!!
気になった方の為の無料立ち読みはこちらから↓
▽新刊『社長、ちょっと待って!!それは労使トラブルになりますよ!』
CASE06 雇止め【http://bit.ly/z9cyuu】
CASE04 未払賃金【http://bit.ly/AedInF】
★☆★ 緊急告知 ★☆★
今回、榎本会計事務所をより知って頂く為にホームページで事務所の風景
を動画配信致しました。メールマガジンでは分からないスタッフや所内の
雰囲気を是非、体感して下さい!! YouTubeでも視聴できます!!
【http://bit.ly/zdJRus?mm=388】
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
成功者のエピソードには嘘が多い? ビジネスプロデューサー 鈴木 領一
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
成功に関する話は、嘘が多い。
これは、私が300名以上の成功者を取材し、アメリカの「SUCCESS」
誌と共同プロジェクトで成功者を研究した経験からハッキリといえます。
マスコミで伝えられる成功者のサクセスストーリーも脚色されたものが多く、
真実の姿を報道するケースは稀です。
こんなことがありました。自身のサクセスストーリーが大手出版社から出版さ
れた著者に会った時のことです。
この方はベンチャー企業の創業者で、会社は飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びていま
した。書籍には「望めば叶う」「努力すれば成功する」というテーマで、ご自
身のサクセスストーリーが綴られていました。
私はこの方に非常に興味を持ったので、実際にお会いして、さらに詳しいお話
を聞かせていただこうと思ったのです。ここではT氏とします。
T氏にお会いしてみると、鋭い眼光でまさに勢いのある経営者という雰囲気で
した。話は弾み、気がつくと5時間もお話を聞かせていただいていました。夕
食の時間になったので、「一緒にお酒飲みませんか?」と誘われて、ディナー
をご一緒させていただくことになりました。
T氏は私に心を許されたのでしょう。「実は鈴木さん……」と、そこで本音を
語りはじめたのです。
「鈴木さん、僕はちょっと疲れてるんです。なぜなら、あの本に書いているこ
とはほとんど嘘だから。本を出す前から僕は名前が知られるようになり、講演
などで“成功の秘密”を話すように望まれるようになって、“ウケる”話をす
るようになった。人々は美談を求めていて、僕はそれに応えるように、“努力
は報われる”“夢を見続ければ叶う”という話をするようになったんだ。そん
な話をし続けているうちに、自分もそれが事実だと思うようになり、嘘を本当
のように話してきたんだ。それがあの本になった。鈴木さん、本当のことを言
うけど、僕が成功したのは偶然なんだよ。たまたまやっていたことが当たった
だけで、自分でも訳がわからないうちにこうなったんだよ。単なる偶然です、
と言ったら人々は納得しない。だからこれまで読んできた本に書いてある話を
適当に組み合わせただけなんだよ」
私はこの告白を聞いて本当に驚きました。T氏が自信たっぷりに話をしていた
ため、私も嘘を見抜くことができなかったのです。それと同時に、本当の話を
していただいて嬉しい気持ちにもなりました。T氏は、嘘をつき続けているこ
とに良心の呵責を感じていたのです。私に本音を話すことで、その呪縛から解
放されたのでしょう。T氏は穏やかな顔で静かな雰囲気となっていました。
このような事例を、私は多く見てきています。成功した人で、自分を客観的に
分析し、成功の要因を素直に表現できる人は稀です。悲しいかな、人は成功す
ると自分をより良く見せたいという気持ちになり、事実とは異なる話を美談と
して語りはじめるものです。残念ながらこれが人間の性(さが)であり、洋の
東西を問わず、誰でもあることなのです。
●松下幸之助の真実の姿
私たちの周りには、事実と異なるサクセスストーリーが溢れています。必要以
上に神格化させて、聖人君子のように仕立て上げられた成功者も少なくありま
せん。
だいぶ前のことですが、当時の松下電器の副社長に直接お会いした時のことで
す。商談が終わった後に雑談となり、「松下幸之助さんについて、印象深い話
がありますか?」という質問を向けるとこんな話をしていただきました。
「晩年は哲学について語ることが多かった方ですが、私が覚えている松下幸之
助の姿は一般の方が思う姿とは大きく違います。すでに現場から退かれていた
幸之助が、久しぶりに奥様と新幹線で旅行に行くことになりました。新大阪か
ら博多まで行くことになったのですが、新幹線に奥様と乗り込むやいなや、奥
様に『君は反対側に座りなさい』と言われたのです。幸之助は右側の窓側の席
で、奥様は左側の窓側の席に座りました。せっかくの旅行なのに、離れ離れに
座ったのです。そして幸之助は奥様にこう言いました。『これから、窓から見
える松下電器の看板の数を数えてくれ』。新大阪から博多までの間、新幹線の
窓から見える松下電器の看板を数えろ、というのです。奥様は文句も言わず、
それに従いました。博多駅に到着するなり幸之助は奥様が数えた看板の数と、
自分が数えた看板の数を確認しました。そして、すぐに本社の広報担当役員に
電話をしてこう言ったのです。『君、新大阪から博多まで、新幹線から見える
看板の数はいくつだ?』この質問ほど怖い質問はありません。この後、担当役
員に雷が落ちたのは言うまでもありません。一般の方が信じている神様・松下
幸之助ではなく、私は結果を追い求める商売人・松下幸之助の印象として記憶
しています」
私はこの話を忘れることはできません。マスコミや書籍だけの情報だけだった
ら、私も松下幸之助氏を神格化して見ていたでしょう。しかし、この話を聞く
ことによって、逆に松下幸之助氏の凄さを感じることができました。凄まじい
商売人魂です。これぞ日本一となった経営者の真の姿だと思いました。
●真実にこそ、成功に必要な教訓がある
京セラ創業者・稲盛和夫氏の事例もあります。
今から十数年前、某ビジネススクールで稲盛和夫氏の講演があるというので、
私も参加しました。講演が終わり、参加者からの質問を受ける時間となりまし
た。
参加者の一人がこう質問しました。
「私は将来起業するのが夢です。このスクールで事業計画書の書き方を学んで
いるのですが、なかなか上手に書けません。稲盛さんはどのようなことに気を
つけて事業計画書を書かれていましたか?」
この質問に対する稲盛氏の回答に、参加者全員が驚きました。
「君は起業したいのだろう? なぜ事業計画書という嘘の作文を勉強している
のだ? 私でさえ見えるのは3カ月先ぐらいで、1年後を予測するような事業
計画書なんて嘘を書くようなものだ。そんなものを勉強している時間があった
ら、さっさと事業を始めればいい。始めてから考えれば良い。資金を集めるた
めにどうしても必要ならコンサルタントに書かせればいいじゃないか。君がや
ることは、すぐに事業をスタートすることだ」
ビジネススクールで事業計画書の書き方を学んでいた生徒がどんな顔をしてい
たか想像にお任せします。私は、本音をズバリ語られた稲盛氏を私はますます
好きになりました。
「ビジネスで成功するには○○が必要」「○○のスキルがあれば成功する」と
いうビジネス界の常識も、そのまま鵜呑みにせず、一度疑ってみることです。
特に成功に関する情報には気をつけてください。それが美談過ぎないか、別の
商売と結びついた情報ではないか、本人が本音で語ったものなのか、をチェッ
クしてください。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
≪おすすめ書籍のご案内≫
当メルマガの執筆陣の著書です。是非ご一読下さい!
★New!!
『知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2013年版』
榎本恵一、渡辺峰男、吉田幸司、林充之共著
【https://www.ecg.co.jp/topics/2013.php?mm=388】
★『社長、ちょっと待って!!それは労使トラブルになりますよ!』
榎本恵一、谷原誠、吉田幸司、渡辺峰男共著
【https://www.ecg.co.jp/topics/post_52.php?mm=388】
★『経営コーチ入門 経営者をサポートする』
榎本恵一、伊地知克哉、林 充之共著
【https://www.ecg.co.jp/topics/post_49.php?mm=388】
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
編集後記 副編集長 中川 祐輔
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。
プロレスラー小橋建太(46)の引退試合が5月11日に日本武道館で行われ
ました。会場は1万7000人の満員。小橋は武藤敬司、佐々木健介、秋山準
とチームを組み、歴代の付き人であるKENTA、潮崎豪、金丸義信、マイバ
ッハ谷口との4対4のタッグ戦に勝利した。
小橋は1988年にデビュー。2006年6月には腎臓ガンが発覚し、右腎臓
を摘出しながらも、2007年12月に546日ぶりの奇跡の復帰を果たして
います。その後もヒジやヒザの故障に悩まされ、長期欠場と復帰を繰り返して
いましたが、昨年7月に行った首の手術後のコンディションが思わしくなく、
「これ以上、小橋建太のプロレスができない」との思いから、昨年12月にリ
ングに別れを告げる決心をしています。
引退試合を一緒に戦ったプロレスラー達も試合後のブログで語っているように
本当に素晴らしいファンやスタッフに囲まれたプロレスラー人生だったのだと
思います。小橋選手から刺激を受けた人も多いのではないでしょうか。私たち
も負けずに、素晴らしい人生を歩めるように日々努力していきたいですね。
次号、第389号は5月21日(月)に配信予定です。どうぞお楽しみに!
★☆★ ツイッター始めました! ★☆★
一緒に盛り上げて下さい、是非フォロー&いいね!をお願いします!
ツイッター【http://twitter.com/#!/enomotokaikei】
フェイスブック【http://www.facebook.com/enomotokaikei】
○━━知って得する経営塾 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○
【発行者】 榎本会計事務所&株式会社イーシーセンター
【HP】 https://www.ecg.co.jp/?mm=388
【連絡先】 info@ecg.co.jp
【バックナンバー】https://www.ecg.co.jp/blog/mm.php?mm=388
【発行システム】
まぐまぐ(ID 0000052980) http://www.mag2.com/m/0000052980.html
メルマ!(ID 014722) http://www.melma.com/backnumber_154169/
メルマ! (ID m00044409) http://www.melma.com/backnumber_44409/
めろんぱん http://www.melonpan.net/mag.php?005840
■□■ 登録や解除はそれぞれの発行システムからお願いします ■□■
■□■□■このメールマガジンの無断転載・無断引用は禁じます■□■□■
All Rights Reserved (c)2000-2013
by 榎本会計事務所&イーシーセンター
○━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○