知って得する経営塾 第436号『先進国にあるべき企業姿勢』
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ワーク・ライフ・バランスを越えて 働き方が変わる 会社が変わる!
不況の中でも元気に業績を伸ばしている企業があります。
業績が右肩上がりの企業とそうでない企業とでは、どこが違うのか。
このシンプルな疑問に答えを出しました。
本書では、今、元気あふれる企業をピックアップし、その事例の中から
元気の源を探ってみました。その結果わかったことは、それらの企業には
“ワーク・ライフ・ハピネス"という考え方が根底にあるのです。
“ワーク・ライフ・ハピネス"が中小企業の元気の“素"だったのです。
業績不振に悩む中小企業の経営者、管理者の目からウロコ本です。
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先進国にあるべき企業姿勢 MBA 長友 孝幸
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最近、世界時に「リコールに対する姿勢」が問われているような気がする。
GM(ゼネラル・モーターズ 米国)はエンジン始動スイッチの欠陥を理由に
世界で約260万台のリコールを届出した。
不具合は走行中のエンジンが止る、停止中に突然動き出す等の
誤動作が発生させた。問題はその欠陥を長年にわたって放置した結果、
その関連事故で計13人が死亡事故を起こしてしまった。
国内製造業でも、事故を未然に防ごうとする迅速なリコール対応の傾向が強く
なり、大規模なリコールが身近に行われだしている。
ただ、その背景に潜む経営手法の流れがあることを忘れてはならない。
過去に、製造業ではその目指すべき方向性の一つとして、
「強靭なサプライチェーンの再構築」を掲げてきた。
この結果、部品の共有化が進み、一つの部品がもたらす影響度が強くなった。
部品の一つに欠陥が分かると、それに関わる部品が連鎖的に対象となり、
自動車産業の発表するリコール対象となる車種や台数は増加している。
部品の共有化は、製品の構成要素が機能的に独立したいくつかの構成要素群
に集約することによって購買コスト削減や製造リードタイムの短縮などの
メリットをもたらす。
しかし、一つの部品で何かしらの問題や不具合が発生すると、
その影響する範囲が拡大し、大規模なリコールに派生させるデメリットを持つ。
実際にトヨタ自動車の今年のリコール件数は12件である。
リコールに対するトップの見解は、
「リコールが悪と考えてほしくない。間違いが見つかったときは即対応する」
と説明しているが、消費者の観点から見れば、
トヨタブランドの信頼を揺らぐ側面を打ち出してしまうこともある。
ただ、技術大国である日本のトヨタがアピールするリコールの根本的な意味は、
他国のリコールに対する姿勢とは異なることを理解しなければならない。
トヨタは品質関連費用として過去3年間、毎年4,000億円以上を
引当金として確保しており、資金的な観点を含め、リコールを
「安全や品質重視の姿勢をアピールできる場」として
積極的に取組む姿勢を示している。
ただ、市場にとってリコールの捉え方は冷たく4月9日の東京株式市場は、
リコール届け出を嫌気して売り注文が膨らみ、残念なことだがトヨタの株価は
一時5,348円まで下落した。
短期的に見ると厳しい結果を生み出すかもしれないが、
他国の企業と異なり、リコールを前向きに捉える日本企業にとって、
その効果は既存の部品・製品の性能を高め、顧客の信頼を高め、
更なるビジネスチャンスとなるはずだ。
最近の自動車事故だけでなく、航空機・船舶・鉄道事故でも分かるように、
部品や製品だけでなくソフトや安全管理システム等ある程度予測して、
危険性が予測されるものがある場合は、
積極的に公表して改善すべき企業の姿勢が大切となることを社会は求めている。
諸外国から見ると、利益を追求することは真似できるように見えるが、
企業としての姿勢(問題を解決する力、見逃さない力)に関しては
日本を真似できないだろう。
これぞ技術大国を支える日本人技術者のプライドなのかもしれない。
今後は、製品の品質管理の強化に加え、不具合があった場合は
積極的にリコールする姿勢が世界的に問われるべきである。
今、我々日本人は、なんちゃって先進国と根本的に違う日本の底力を
世界に見せつけなければならない。
◆◇◆ MBA 長友 孝幸 プロフィール ◆◇◆
株式会社比風屋 代表取締役 長友 孝幸
【http://www.hifuuya.co.jp/about/】
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編集後記 副編集長 塩田 剛也
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当メールマガジンをご愛読頂きまして誠にありがとうございます。
誠実であることの大切さについて、改めて考えさせられました。
トヨタの今年のリコール件数は12件とのことです。
規模が大きくなればなるほど、損害も大きくなります。
もちろん発生しない方が望ましいです。それに、発覚していないだけで、
隠蔽されている不具合は他の企業、業界にもあるのでしょう。
しかし、トヨタのトップは明言しているとのことです。
「リコールが悪と考えてほしくない。間違いが見つかったときは即対応する」
世界中から非難され、責任を追及され、
その重圧は私たち一般の人間では想像もつかないようなものだと思います。
経営的にも、精神的にも、肉体的にも、絶対避けたいことでしょう。
それでも、間違いがあればすぐに認め、迅速に対応を行っていくという、
誠実な姿勢を崩していません。
もっと小さい規模、例えば日常の業務においても失敗はつきものです。
怒られるのは嫌だ、できれば見つからないように隠しておきたい・・・。
ほとんどの方が身に覚えのある感情でしょう。
それでも、正直に謝って最善の対処をした方が絶対に良いんです。
ミスを隠したままでは後ろめたい気持ちが続いてしまいますし、
パフォーマンスも上がりません。
そのためには、
誠実に失敗と向き合える環境が作られていかなければいけません。
先輩や上司が嘘をついたり、ミスを隠したりする姿を見続けていれば、
誠実にがんばるのが無駄と思われてしまうでしょう。
リコールに対するトップの姿勢は外からの評価だけでなく、
内部の環境にも大きく影響すると思います。
自分のためにも、周りのためにも、
誠実であることはとても大切なことだと考えます。
次号、第437号は5月7日(水)に配信予定です。
どうぞお楽しみに!
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