知って得する経営塾 第552号 『短時間労働者の社会保険適用拡大について 』
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
『短時間労働者の社会保険適用拡大について』 特定社会保険労務士 東海林正昭
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
メルマガの読者の皆様お元気ですか。
今回は、短時間労働者の社会保険適用拡大について解説します。
平成28年10月1日から短時間労働者の健康保険、厚生年金保険の
社会保険加入の適用拡大を行います。
これまでの取り扱いは、適用事業所に使用される者を被保険者とする旨を定めるとともに、
臨時に使用される者等については適用を除外する旨を定めています。
こうした、法律上の規定に基づき、短時間労働者の健康保険、厚生年金保険の適用については、
適用事業所との間に常用的使用関係にあるかどうかで、4分の3要件(週30時間以上勤務)を
満たした方は健康保険、厚生年金保険の社会保険に加入します。
被保険者加入基準の4分の3要件のうち、9月までは、
「1日または週の所定労働時間および1月の所定労働日数がおおむね4分の3以上」
「被保険者として取り扱うことが適当な場合は総合的に勘案し、被保険者の適用を判断すること」
の要件の「おおむね」「総合的に勘案し」など基準があいまいだったのが改訂され、
10月1日からの特定適用事業所でない500人以下の事業所での被保険者加入基準新基準では
「1週の所定労働時間および1月の所定労働日数が4分の3以上」と明確になります。
尚、4分の3要件を満たしていない場合でも、10月の施行日前から被保険者資格を取得していており、
施行日以降も引き続き同じ事業所に使用されている間は、引き続き被保険者資格を有します。
今後は、同一事業主の適用事業所(法人番号が同一の事業所)の厚生年金保険の被保険者数の合計が
1年で6か月以上、500人を超えることが見込まれる場合は、特定適用事業所として短時間労働者の
社会保険強制適用拡大の対象となります。
同一事業主の適用事業所の法人事業所とは、
法人番号が同じ適用事業所、個人事業所とは、現在の適用事業所になります。
対象者は下記の要件1~4の方です。
1.週の所定労働時間が20時間以上である。
2.賃金の月額が8.8万円以上である。
3.勤務期間が1年以上見込まれる。
4.学生を適用除外とする。
それでは、1から4の要件を解説します。
1.週の所定労働時間が20時間以上である
週の所定労働時間とは就業規則、雇用契約書等により決定され週20時間以上が対象になります。
ただし、時間外労働等の時間は含みません。
つまり、週の所定労働時間とは、就業規則、雇用契約書等により、
その者が通常の週に勤務すべき時間を言います。
1年単位で定められている場合、1年間の所定労働時間を52で除して算定します。
1カ月単位で定められている場合、1カ月の所定労働時間を12分の52で除して算定します。
特定の月の所定労働時間に例外的な長短がある場合は特定の月を除して算定します。
1週間の所定労働時間が短期的かつ周期的に変動する場合、平均により算定します。
2.賃金の月額が8.8万円(年収106万円)以上である
週給、日給、時間給を月額に概算したものに、
各種手当等を含めた所定内賃金の額が8.8万円以上である場合になります。
ただし、賞与など臨時に支払う額、時間外労働等の残業代、
最低賃金法で算入しないことを定める精皆勤手当、
通勤手当、家族手当の賃金は含めません。
3. 勤務期間が1年以上見込まれる
勤務期間が1年以上見込まれる対象は下記の内容です。
①期間の定めがなく雇用される場合。
②雇用期間が1年以上である場合。
③1年未満であっても、雇用契約書に契約が更新される可能性がある旨が明示されている場合。
④同様の雇用契約によって雇用された者について更新等により1年以上雇用された実績がある場合。
4. 学生を適用除外とする
雇用保険の取り扱いと同様の扱いで生徒、学生は適用除外です。
ただし、大学の夜間学部、高校の夜間等の定時制の学生の方、卒業見込証明書を有する方で、
卒業前に就職し、卒業後も引き続き同じ事業所に勤務予定の方、休学中の方は適用対象になります。
◆◇◆ 特定社会保険労務士 東海林 正昭 プロフィール ◆◇◆
社会保険労務士法人東海林・旭事務所は、
毎月「手作り事務所ニュース」を作成して
情報発信にも力を入れている事務所です。
詳細は上記URLから
社会保険労務士法人東海林・旭事務所のHPをご覧下さい。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
≪おすすめ書籍のご案内≫
当メルマガの執筆陣の著書です。是非ご一読下さい!
★『実践 ワーク・ライフ・ハピネス2』
榎本恵一、阿部重利共著 藤原直哉監修
★『知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2015年版』
榎本恵一、渡辺峰男、吉田幸司、林充之共著
★『実践 ワーク・ライフ・ハピネス』
榎本恵一、阿部重利共著 藤原直哉監修
★『社長、ちょっと待って!!それは労使トラブルになりますよ!』
榎本恵一、谷原誠、吉田幸司、渡辺峰男共著
★『経営コーチ入門 経営者をサポートする』
榎本恵一、伊地知克哉、林 充之共著
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
★☆★ 既刊情報 ★☆★
実践 ワーク・ライフ・ハピネス2 成功する会社は仕事が楽しい!
企業の成功の秘訣は
“頑張る"から“楽しい"へ!
成功する企業と成功しない企業とでは何が違うのでしょうか。
それは社員が“楽しく"仕事をしているかどうかの違いです。
会社は、これまでは“頑張る"ところでした。
しかし、今は違います。今は、頑張るより楽しく仕事をするほうが
業績も上がることがわかってきました。
働くことが楽しいと思える会社には「ハピネス」があります。
ハピネスがある会社は成長するのです。
本書は、ハピネスな五社の事例を取り上げながら、
その成功ポイントを明らかにしました。
業績不振に悩む経営者や管理者、
働くことに意義を見出せない若い人たちの必読の書です。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=
次号、第553号は9月26日(月)に配信予定です。
どうぞお楽しみに!
★☆★ ツイッター&フェイスブックもやっています! ★☆★
一緒に盛り上げて下さい、是非フォロー&いいね!をお願いします!
○━━知って得する経営塾 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○
【発行者】 株式会社イーシーセンター
【連絡先】 info@ecg.co.jp
【発行システム】
まぐまぐ(ID 0000052980) http://www.mag2.com/m/0000052980.html
メルマ!(ID 014722) http://www.melma.com/backnumber_154269/
メルマ! (ID m00044409) http://www.melma.com/backnumber_44409/
■□■ 登録や解除はそれぞれの発行システムからお願いします ■□■
■□■□■このメールマガジンの無断転載・無断引用は禁じます■□■□■
All Rights Reserved (c)2000-2016
by イーシーセンター
○━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━○